和光 本店地階のリニューアルを記念して、特別なブレンドウイスキー「YAMAZAKURA PURE MALT WHISKY Specially bottled for WAKO」が誕生しました。時計塔を頂き、服部時計店としてその歴史をスタートした和光ならではの、‟時”にまつわるストーリーがこのウイスキーに込められています。
地階リニューアルの空間デザインを担当した新素材研究所の杉本博司さんが、「和光にふさわしい贈答品を」と発案して始まった「和光ウイスキー」のプロジェクト。コーディネートはウイスキーインポーターの松永広人さんが務めています。
今回のプロジェクトを実現するにあたり、松永さんが白羽の矢を立てたのは、福島県郡山市にある安積蒸留所でした。その理由は「歴史」と「物語」にありました。
安積蒸留所が守り抜いた原酒の樽
現在80以上を数える国内の蒸留所の中でも、味わいのよさはもとより屈指の歴史を誇る安積蒸留所。そのルーツは1700年代から続く酒蔵にあり、ウイスキー製造に乗り出したのは1946年のこと。「北の雄」として人気を博すも、やがて訪れたウイスキー不遇の時代、1989年には製造休止を余儀なくされました。残されたのは大量のウイスキー樽。世に出るあてのない原酒はしかし、丁寧に管理され、蔵の奥で静かに熟成の時を紡いでいきました。
原酒は樽の中で長い熟成の年月を重ね、目覚めの時を待つ。Photography: Nathalie Cantacuzino
2003年には、ともに時代を築いた東亜酒造の羽生蒸留所が暖簾を下ろすにあたり、原酒の樽を預かることに。この樽が、のちにベンチャーウイスキーの造り手により「イチローズモルト」として、世界にその名を知らしめる存在へと成長していくことになります。
安積蒸留所が守り抜いたのは、ウイスキーが重ねた時間、そして物語でした。ジャパニーズウイスキーが空前の脚光を浴びる時代を迎え、2016年、安積蒸留所もウイスキー製造を再開します。
ウイスキー造りへの情熱の火を絶やさず、「安積蒸留所」として2016年に再始動。 Photography: Nathalie Cantacuzino
和光だけの特別ブレンドが実現
安積疏水が流れるこの地ならではの風土や気候が、香りや味わいを生み出す。Photography: Nathalie Cantacuzino
今回の特別ブレンドウイスキーには、1980年代にスコットランドで蒸留され、休止の間も大切に貯蔵されていた原酒が使われています。この長熟の原酒をベースに、安積蒸留所で蒸留した短熟の原酒をブレンド。フルーティでフローラルな香りが広がり、最後はスパイシーな余韻が残る深みのある味わいに仕上がりました。
ボトルデザインの美しさにもこだわって
ガラスのアートのような美しいボトルが、ウイスキーへの愛着をより深くする。
ボトルとボックスには杉本博司さんが揮毫(きごう)した「和光」の書があしらわれました。ウイスキーを嗜む時間、さらに飲み終えた後に続く時間までも豊かにしてくれるような、まさに特別なボトルです。「和の光を絶やすことのないようにとの思いを込めて」と杉本さん。長い時間と、そこに携わってきた人々の物語に思いを馳せながら、ゆっくりとグラスを傾けてみてはいかがでしょう。