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幸福学の専門家に聞く「お金の使い方」。“なぜか満たされない”買い物をしていませんか?

2024.10.02

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更年期世代のお悩み解決 心が楽になる“幸せ習慣” 第10回 お金と幸せの関係は人々に共通のテーマ。幸福学の分野でもさまざまな角度から研究されています。それらの結果を基に、前野隆司先生・マドカさんご夫妻のすすめる“幸せが長続きするお金の使い方”は、「モノより経験、自分のためより人のために、今の満足より将来への投資」──。あなたはどう考えますか?前回の記事はこちら>>

お金は自己満足ではなく利他の心で使う。“幸せを育む投資”でより幸福に

「高価なモノを買い続けても、なぜか満たされない」

前野隆司先生
前野隆司先生

まえの・たかし 工学博士。日本における幸福学研究の第一人者。武蔵野大学ウェルビーイング学部教授、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。

前野マドカさん
前野マドカさん

まえの・まどか 夫の隆司氏とともに幸福学を研究。幸せな社会を目指す会社「EVOL」を経営。幸せを広めるワークショップ、コンサルティング、研修活動、講演等を行う。

幸せ習慣

「何が欲しい?」より「何がしたい?」“経験”という幸せを買う

高級品を買うととても幸せな気持ちになり、意欲も湧いてきます。でもやがてまた新しいモノが欲しくなり、心はいつまでも満たされません。

前野先生 モノや収入など他人と比べられる財を「地位財」といい、これによって得られる幸せは長続きしないものです。欲しかった何かを手に入れるとしばらくは満ち足りた気分になりますが、徐々に持っていることが当たり前になって価値が下がっていき、新しいモノが欲しくなるからです。また「限界効用逓減(ていげん)の法則」(下のグラフ)によれば、モノを手に入れたときの満足度は1つ目が最も大きく、2つ3つと重ねるごとに小さくなっていきます。幸福学的には、モノを買うことで心を満たすのは難しいかもしれませんね。

限界効用逓減の法則

限界効用逓減の法則 限界効用逓減の法則とは、消費量が1単位増えるごとに効用(満足度)の増加分は徐々に減少していくという経済学の法則。スイーツの食べ放題に例えると、1個目を食べたときの満足度が最も大きく、2個目、3個目と食べ続けても1個目ほどの満足度は得られない。欲しいモノを買い続けても保有量が増えるに従って満足度が低下するため、いつまでも心が満たされることはない。
マドカさん お金の使い道を、モノの購入か経験かで迷うこともあります。私の友人は、誕生日が近づくとパートナーから「何が欲しい?」ではなく「何がしたい?」と聞かれるそうです。モノではなく経験の誕生日プレゼントですね。こうして毎年、夫婦で海外旅行や乗馬やダイビングを楽しむのだそうです。それと同時に、思い出す楽しみ、来年は何をしようかと考える楽しみも毎年増えていく──。とても素敵なお金の使い方だと思います。


前野先生 ある研究では購買型より体験型の消費のほうが幸せが長続きするという結果が出ています。一緒に楽しいことをした経験は共通の思い出としていつまでも残り、色あせることがありません。これは「非地位財」(他者との比較とは関係なく得られる財)の1つと考えられ、現代人の多くが求める心の豊かさだといえます。

イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美

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