使い方や使う目的次第では、「お金で幸せは買える」といえるでしょうか?前野先生 “買う”という表現はちょっと違います。お金を将来の幸せのために使う、いわば“幸せを育む投資”と考えるのが適切ではないでしょうか。たとえば資格を取る、新しい勉強を始めるなどは自分の将来の幸せへの投資ですし、エシカル消費は社会や地球の将来を守ることにつながります。歴史あるブランド品の購入も伝統的技術が続くための投資。私はそれらはとても上品なお金の使い方だと思うのです。
マドカさん 寄付文化の浸透している欧米では、富裕層は富を独り占めせず、持つ者の責任として世のため人のために使います。
前野先生 最近、日本でも「遺贈」というシステムが認知され始めています。遺産を法定相続人以外に譲る行為で、活動を応援したい団体を遺贈先に選ぶこともできます。これはある意味、人生最後の利他といえるかもしれません。関心のある方は一度調べてみるとよいのではないでしょうか。
幸せを育むお金の使い方ワーク
あなたがお金を使うときの目的や意識で最も近いものに○をつけましょう。
[1]高価なジュエリーを買うときの気持ちは?A これを身につけたらみんなに注目されるだろう
B 身だしなみとして本物の装飾品は必要だ
C 素晴らしい芸術品を作るデザイナーや 職人に心からの敬意を表したい
[2]株を買う目的は?A 短期的に利ざやを稼いで儲けたい
B 長期的に保有して資産を増やし、何かの役に立てたい
C その会社の理念に賛同し、長期的な躍進を応援したい
[3]高級レストランの料理に感動したら?A 一口一口を、じっくり味わいつくしたい
B 同行者と感動を分かち合いたい
C ウェイターやシェフに感動と感謝の気持ちを伝えたい
※AよりもB、BよりもCの方が利他性が高く、幸福学的には幸せが長続きすると考えられます。
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