「佐藤」や「加藤」のように下に「藤」がついて「~と(ど)う」と読む名字は、藤原氏の末裔であることが多いです。しかし、「藤田」のように、頭に「藤」がつく名字はそうとは限りません。
そもそも「~とう」と読むことで、藤(とう)家=藤原氏の一族であることを示しているわけですから、「ふじ」だと別の由来のことが多くなります。
「藤」が上につく名字の場合、「藤」は植物の「フジ」に由来することが多いのです。また、「藤田」の場合は他のルーツもあります。
というのも、「ふじた」を旧仮名づかいで書くと「フヂタ」となります。そして、旧仮名づかいでは一般的に濁点は書きませんから「フチタ」となります。つまり、水田の縁にある「縁田=ふちた」と同じで、これにいい意味の漢字をあてたものも多そうです。また、こうしたことに由来する「藤田」という地名は各地にあり、地名由来の「藤田」さんもいます。
現在は、沖縄県を除いてほぼ全国にまんべんなく分布しており、比較的瀬戸内海沿岸や東北北部に多くなっています。