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英国貴族と馬。レディ・フィオーナの愛馬はアラブ馬の「フィーブ」

2018.04.09

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レディ・フィオーナの提案で実現した人と動物による礼拝


さて、秋になると英国の教会では収穫感謝の礼拝「ハーヴェスト」が捧げられます。ハイクレア城の近くにある教区教会でも、農作物の収穫を神に感謝する礼拝が10月にあります。

2年前、レディ・フィオーナは司祭や村の人々に「動物と一緒に礼拝をしたらどうかしら」と、一風変わった提案をされました。するとどうでしょう。その日曜日、馬、羊、山羊、あひる、鶏、犬など、人々は思い思いの動物を連れて教会にやって来ました。

笑い声と、動物の鳴き声が礼拝堂の静けさを破り、まるで動物の言葉を話す「『ドリトル先生』物語の一場面を思わせるかのようでした」と伯爵夫人は語ります。


人と動物の礼拝





礼拝当日の様子。上・司祭も礼拝に参加。中・スーツ姿が8代目伯爵。下・ポーニーもトラクターも出動。

礼拝の後、牧師は中庭に集められた動物のためにも神の祝福を祈りました。レディ・フィオーナの提案は以来、秋の収穫祭の恒例行事となりました。そう、時代を経て、ハイクレア城を支えてきたのは人間だけではありません。

これまで、おびただしい数の動物たちがハイクレアを守り、助けてきたのです。「人と動物との絆を神に感謝したい」と愛情深く語るレディ・フィオーナ。ハイクレア城と動物たちとの豊かな関係は、今もこれからも続いていくのです。

まさにリアル・ダウントン・アビー!ハイクレア城に暮らすレディ・フィオーナの記事をもっと>>

●フィオーナ・カナーヴォン伯爵夫人/ロンドン生まれ。6人姉妹の長女。 セント・アンドリューズ大学で英語とドイツ語を専攻、ロンドンで国際会計士として働く。1999年カナーヴォン伯爵と結婚。一人息子エドワードの母。ハイクレアのガイドブックをはじめハイクレアに関する数々の著書を出版、歴史家として知られる。趣味は乗馬、読書。オフィシャル・サイトはhttps://www.ladycarnarvon.com/

山形優子フットマン/Yuko Yamagata-footman

フリーライター
上智大学文学部社会学科卒業。カルフォルニア州立大学心理学科でヒューマニスティック・サイコロジーを専攻、修士課程修了(ロータリー財団奨学生)。新聞記者を経てフリーライターに。在英約30年。イギリス人男性と結婚、3人の娘の母。著書に『憧れのイングリッシュガーデンの暮らし』(エディシォンドゥパリ)、『なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン』(講談社文庫)他。
構成/樺澤貴子
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