現代医学が示す入浴の一番の効果は、温熱作用です。「体が温まると血管が拡張し、心臓から送り出される血液が全身を巡るようになります。血液が酸素や栄養分、免疫物質など、体に必要なものをすみずみまで運び、一方で疲労物質、老化物質などの不要なものを回収する働きが高まり、新陳代謝が活発に。これが入浴で体がすっきりし、疲れが取れる理由です」。
重力から解放されるリラックス効果、よい睡眠への導入効果も、更年期世代の不調の軽減に役立ちます。「お風呂が自律神経を整えるスイッチになるので、副交感神経を優位にし、体をさらなる疲労回復モードへと促します」。
毎日湯船に浸かる習慣こそ、最高の健康法
ステイホームの時間が増えて以降、ゆっくりお風呂に入るようになった方も多いのではないでしょうか。「香りの入浴剤で癒やされたり、女性はバスタイムを活用するのが上手ですが、『医学的に正しい入り方』でなければ効果は半減し、時には体に負担をかけてしまうこともある」と早坂先生。
「『40度のお湯に10分、半身浴ではなく、肩まで浸かる全身浴』が正解です。熱いお湯を我慢したり、長時間入る必要はなく、むしろ“頑張らない入浴”こそが心身の健康を引き出します。大事なのは、毎日湯船に浸かること。なぜ40度なのか、なぜ半身浴はあまり意味がないのか、具体的な入浴法とともに次回からご説明します」。
(次回へ続く)
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