連載「迷い世代の服選び」スタイリストのおおさわ千春さんが、「何を着たらいいのかわからない」と悩みがちな“迷い世代”の大人に向けて、おすすめのファッションアイテムをご紹介する連載。今回は、おおさわさんにとってもステディブランドであるラルフ ローレンをフィーチャー。シックなグレージュをメインにしたトーン・オン・トーンのコーディネートを、秋のお洒落の参考に。
連載一覧はこちら>>
ラルフ ローレン コレクション、洗練のワントーン・スタイル
迷い世代が、「洗練されて見える」ための近道は、全身をワントーンで揃えることだと思います。私は、スタイリングするときに「使う色は3色まで」をモットーにしていますが、「できるだけトーンを揃えたほうが、お洒落に見える」というのが、長年スタイリストをしてきて導き出した結論。中でも全身をワントーンで揃えるのは、私にとって「究極のお洒落」です。ワントーンで揃えるのは、ともすると単調になったり地味になったりするので、素材の組み合わせや、ちょっとした色調の違いを上手にアレンジしていかなければならず、実は難易度は高め。でも、その分、ラグジュアリーな佇まいに仕上がるのです。
今季のラルフ ローレン コレクションは、ベージュ、グレージュ、トープ、モカなど、ニュアンスのある色を重ねたワントーンコーディネートを提案していて、ルックを見た瞬間「このまま着て帰りたい!」と思ったほど。グレージュ系の優しいトーンは、大人の女性をシックに、知的に見せてくれる色。黒、白、紺などとも合わせやすいので、コーディネートでも活躍すると思います。
大きなラペルがフェミニンなカシミアのダブルフェイス
コート91万8500円、ドレス35万6400円/ともにラルフ ローレン コレクション バッグ(横約23×縦18×マチ4.5cm)45万2100円、シューズ11万3300円、ピアス126万5000円、ブレスレット69万3000円、サングラス2万2000円/以上すべてラルフ ローレン
私が一目惚れした、カシミアのダブルフェイスのコートがこちら。さらりと羽織っても絵になる着流しのデザインで、大きなラペルが華やかです。私は肩幅が狭いなで肩なのですが、このラペルだと、それが目立たないのもこのコートを気に入った理由です。コートに合わせたのは、ヘリンボーン柄の半袖のワンピース。美しく広がるフレアースカートが揺れる様がドラマティックで、こんなコーディネートで街を歩いている女性がいたら振り返って見てしまうと思います。
ボディラインをキリリと見せる「隠れ蓑」ジャケット
左:ジャケット44万5500円、パーカーニット30万2500円、パンツ21万3400円/以上すべてラルフ ローレン コレクション 右:ジャケット51万7000円、ニット26万7300円、パンツ24万9700円/以上すべてラルフ ローレン コレクション
私は、常々「ジャケットは隠れ蓑」だと言っているのですが、ジャケットは体形のコンプレックスを上手に隠しつつ、美しく補正して見せてくれるんです。特にラルフ ローレン コレクションは、一見メンズライクに見えますが、ウエストが絞られていて、纏うと凛とした美しさが薫り立つ、魔法のジャケットなのです。この2着は、あえて裏地を施さず、柔らかな着心地を追求。左のダブルは、薄い肩パッド入りで、肩掛けにしても絵になるグレンチェック柄。右のシングルは、カーディガン感覚で羽織れるソフトジャケット。どちらも、中には曖昧なニュアンスカラーのニットを合わせてリラクシーなムードにコーディネートしてみました。
シグネチャーが光る上質なカーフのトート
右:バッグ(横約33.5×縦32×マチ18cm)42万9000円 左:バッグ(横約28×縦19.5×マチ15cm)24万9700円、サングラス5万5000円/以上すべてラルフ ローレン
シグネチャーのRLのキーベルチャームがアクセントになった「RL888」コレクション。NYのマディソンアベニュー888番地にあるレディースのフラッグシップストアに因んで名付けられています。艶のあるフルグレインカーフを使用したトートは、収納力があり、デイリー使いにぴったり。コートやジャケットスタイルに合わせて持ちたいですね。
ジャケットが大好きな私ですが、実は40代前半に、ジャケットを着なくなった時期があります。若い時は自分を格好良く、大人に見せてくれるアイテムとしてジャケットを着ていました。しかし、いざ「大人」になってみると、ジャケットを着ると、ちょっと威圧的に見えるような気がして、お休みしていたのです。50代に突入し、体形が緩んできたな……と思ったとき、再びジャケットを着るようになりました。襟と肩がしっかりとあるジャケットは、体形をカバーし、その人をキリっと端正に見せてくれる「隠れ蓑」だからです。今は、若いころとは全然違う意味合いでジャケットを愛用していますが、ジャケットは迷い世代のマストアイテムだと実感しています。皆さんも、是非上質なジャケットを探してみてください。
●お問い合わせ
ラルフ ローレン 電話:0120-3274-20
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。「迷い世代の服選び」記事一覧>>