診断には、子宮内膜の細胞や組織を採取する
子宮体がんの診断には、細胞診や組織診が行われます。特に確定診断には組織診が重要です。
細胞診では、子宮の入り口(子宮口)から細い器具を入れて、子宮内膜をこすり、細胞を採取します。また、組織診では専用の器具を挿入し、子宮内膜の一部を引っかいて採取します。「いずれも痛みを伴うため、少し我慢していただく必要があります。痛みは長く続くことはなく、鎮痛剤も不要です」。
ただ、どちらも子宮内膜全体を調べられないので、「細胞診の1〜2割はがんがあるのに見つからない偽陰性になります。組織診でもがんが小さい場合には見つからないこともあります」。そのため、不正出血が続けば複数回の検査が必要です。出産経験がない、あるいは加齢によって子宮口が狭くなっている場合は、あらかじめ棒状の器具で子宮口を広げるか、入院して麻酔をかけて行います。がんの疑いが濃厚で子宮内膜を広くかき取る場合も、入院して麻酔をかけて施術します。
また、経腟超音波検査によって、子宮内膜の厚みを見ます。「閉経後で経腟超音波検査で子宮内膜が肥厚していることがわかれば、それだけで子宮体がんである疑いが濃くなります」。
なお、子宮体がん検診として行われるのは細胞診と経腟超音波検査で、多くの婦人科クリニックで自費で受けられます。一般に子宮がん検診といえば子宮頸がんの検診を指すので、子宮体がんの検査を受けたい場合はその旨を明確に伝えましょう。「検診で異常がなく、その後、不正出血もなければ2〜3年は心配しなくてもいいと思います。もし不正出血があれば、そのときに必ず受診してください」。