大腸がんなどを併発するリンチ症候群
子宮体がんの2~5パーセント程度は遺伝性のがん(リンチ症候群)と推測されています。
この遺伝性のがんでは、遺伝子のコピー間違いを修復する機能を持つ遺伝子に病的な変異があり、子宮体がん、大腸がん、卵巣がん、胃がん、膵臓がんなどを若いうちから発症しやすくなります。親のどちらかにこの素因があると子どもには50パーセントの確率で遺伝します。
また、親に素因がなくても、子どもがこの素因を持つこともあります。自身が若くして上記のようながんになった、近い血縁者にがんの経験者が多いといった場合には、子宮体がんや大腸がんの検査を受けると安心です。診断の過程で、遺伝腫瘍医や遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングや遺伝子検査を打診されることがあります。
「子宮体がんが見つかってリンチ症候群を疑う患者さんには、ほかのがんの検査も行っています。外科医と協力して1回の手術で子宮体がんと大腸がんを切除したケースもあります」