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不正出血があれば必ず婦人科の診察を。「子宮体がん」のリスク要因から治療まで

2024.11.14

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子宮体がんのリスク要因から治療まで

不正出血があれば必ず婦人科の診察を受ける

リスク

●月経不順、排卵障害がある
●初経が早かった/閉経が遅かった
●妊娠・出産経験がない、あるいは少ない
●子宮内膜増殖症と診断されたことがある
●ホルモン補充療法を受けている(特にエストロゲンしか使っていない場合)
●肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症がある

●乳がんの治療で抗エストロゲン薬(タモキシフェン)を服用している
●40代以下で大腸がんを経験した
●近い血縁者に子宮体がん、大腸がん、卵巣がん、胃がんなどの経験者が複数いる

症状

●不正出血(茶色いおりもの、鮮血)があった
→ 不正出血に気づいたら、すぐに診察を受けることが大切。出血があっても婦人科医は診察してくれることがほとんど

●水っぽいおりものや色のついた膿のようなおりものが続く など

診察・検査

問診
気になる症状、月経歴、妊娠・出産経験、子宮内膜増殖症などの既往歴、がんの家族歴などについて聞かれる

触診・内診
おなかの触診、腟から指を入れる内診で子宮や卵巣の様子を探る

超音波(エコー)検査
腟を通して超音波を当てて子宮内膜の厚みや腫瘍の有無などを見る

子宮内膜の細胞診
子宮の入り口(子宮口)から細い器具を入れて細胞を採取する細胞診を最初に行うことが多い

ほかの病気の診察時

婦人科の受診、子宮頸がん検診、大腸がん検診などで子宮体がんが見つかることがある

診断

子宮内膜の組織診
子宮体がんの確定診断は組織診によって行われる。

子宮口から組織診用の器具を挿入して組織を採取する。
子宮鏡を子宮口から入れて、子宮内を観察しながら組織を採取する場合もある。
出産経験がない、加齢によって子宮口が狭くなっている、あるいは閉じていて検査ができない、器具を入れる際の痛みが強いといった場合には、あらかじめ子宮口を広げる処置をするか、入院して麻酔をかけて行う。
採取した組織の病理検査によって進行期と組織型が確定診断される
→ 子宮体がんは早期に見つかれば、治りのよいがん。Ⅰ期の場合、5年生存率は95パーセント以上

上記の検査で子宮体がんが疑われる場合には、さらに骨盤MRI検査、CT検査、PET-CT検査のような画像検査が行われる

場合によっては、採取した組織の遺伝子検査がすすめられることもある

治療

ほとんどの場合、手術が標準的な治療で、術後に薬物療法や放射線療法を追加することもある。近年、再発・進行がんの薬物療法が進んできている

手術
ほぼすべての症例で手術が行われる。切除した組織の病理検査やがんの広がりによって手術進行期分類が決められ、再発リスクも分類される

薬物療法
進行期や再発リスクに応じて、手術後に薬物療法が行われることがある

放射線療法
進行期や再発リスクに応じて、手術後に放射線療法が行われることがある

緩和療法
心身のつらさや痛みに対するケアで、がんの早期から受けられる


連載「サイレントキラーの病に備える」の記事一覧はこちら>>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年11月号

家庭画報 2024年11月号

取材・文/小島あゆみ

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