連載「季節のクリッピング」11月 霜降(そうこう)・末候(まっこう)
楓蔦黄(もみじつたきばむ)
選・文=平井正則(日本暦学会会長) 秋といえば夕暮れ。その燃えるような色のグラデーションを見ると、どこか物寂しいしみじみとした気持ちになります。また晩秋は日ごとに日没が早くなり、ふと気が付けば満天の星たちが輝き始めています。秋の空は私たちにたくさんの表情を見せてくれるのです。
そして秋の代名詞といえばもう一つ、紅葉です。「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」七十二候霜降・末候(11月2日から6日)。奈良時代から平安時代にかけて貴族の間で始まったといわれる「紅葉狩り」。秋が深まるごとに色を重ねる紅葉を眺めながら、移ろいゆく季節を愛でるのはいつの時代も変わらないようです。
制作・撮影=岡本なう(洗濯バサミフォトグラファー)紅葉の葉は1枚につき5個の木製の洗濯バサミを使用して計170個、枝の中心には針金を入れて茶色の洗濯バサミを計64個使って制作。弱い風にも枝が揺れてしまうのが難点だった。
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