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「舞台は自分や人と向き合う時間が濃い。 そんな時間を求めている気がします」舞台人・森田 剛さんの想い

2024.10.16

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今月の人 森田 剛さん

主演を務めたNHKドラマ『アナウンサーたちの戦争』が映画化されるなど、実力派俳優としての存在感を増している森田 剛さん。初共演となる間宮祥太朗さんとのダブル主演で、舞台『台風23号』に出演します。

その人物として噓なくそこにいたい

作・演出は、小さなコミュニティの日常の中に人間の愚かさや愛しさを描き出す作風で知られ、俳優や映画監督としても活躍する赤堀雅秋さん。出演オファーがあったのは、まだ作品内容が具体化していく前だったそうですが、森田さんは「赤堀さんの作品なら」と快諾したといいます。

「赤堀さんの作品は、前に舞台で共演した荒川良々さんから『きっと(森田さんも)好きだよ。合うと思う』とすすめられて、観るようになりました。人間くさいところが好きです。出ている人がみんなチャーミングというか、どれだけひどいことをいっていても、どこか可愛らしく感じる人が多い印象があります。それで、ぜひ挑戦したいと思いました」

夏(2024年7月下旬)に取材した時点での森田さんの役柄は「ある町のかまぼこ工場で働く、女性にだらしないバツイチの男」。


「間宮くんが演じる、町を出たいと思っている元妻の弟に2万円借りている、しょうもない男だそうです(笑)。わかりやすいダメな人を演じるのは楽しいし、間宮さんをはじめ、初めて一緒にお芝居をする方が多いのでワクワクしますね。もちろん、初めてのことをやるときや舞台の初日は緊張もしますけど、こっちがどんな状況であろうと、観る人には関係ないじゃないですか。毎回その人物として噓なくそこにいられるように、しっかり稽古するしかないと思っています」

「自分次第で状況は変えられる。ずっと自分を信じてきました」──森田 剛さん

そんな森田さんに、舞台の魅力を尋ねると「稽古も含めて、流れている時間がすごく濃い。自分と向き合う時間も、人と向き合う時間も。そういう時間を求めて、舞台をやっている気がします」。

一観客としては、想像の余地が大きいところが好きだといいます。

「今はわかりやすい作品が多くて、特に映像では“ここを見てください”と答えを教えてしまうようなものが少なくないですよね。その点、舞台、それこそ赤堀さんのような作品は、自分で想像できる部分が大きいから、人によっていろいろな見方ができる。今回の『台風23号』も、観た人がいろいろな感想を持ってくれたら嬉しいなと思います」

「台本を覚えていくこと」が、自分で決めた稽古や撮影に臨む際のルールだという森田さん。「自分でできることって、それぐらいしかないと思うんです。あとは現場の様子や相手によってどうにでもできるように、なるべく真っさらな状態で行くことを心がけています」。

ワイルドな雰囲気に、大人の渋みと色気が加わってきた45歳。この6年の間に、結婚や個人事務所の設立といった転機を迎えましたが、本人は「中身は変わってないです。毎回求められることが違うのが、この仕事。ずっと“もうちょっとできるんじゃないか”とか“もうちょっとよくなるんじゃないか”と思いながらやっている感じです」と話します。

「40歳を過ぎて、自分にできることと、できないことがわかってきましたけど、僕は昔から自分のことを信じているんです。悲しいことがあっても自分でどうにかするしかないと子どもの頃から思っていたし、自分次第で状況は変えられるという感覚は、仕事を始めてからもずっと持っていますね。先のことはわからないけど、“もうちょっといけるんじゃないか”と思いながら、これからも新しいことに挑戦していきたいです」

最近のリフレッシュ法はメダカを眺めること

ちなみに、最近のリフレッシュ法は「メダカを眺めること」だそう。「うちで飼っているんですが、どんどん増えちゃって。じっと見ていると、あっという間に時間が過ぎていくんですよ(笑)」。

そう話す少年のような笑顔も素敵な森田さん。『台風23号』でのダメ男っぷりと今後の活躍が、ますます楽しみです。

森田 剛(もりた・ごう)
1979年埼玉県生まれ。2021年に個人事務所「MOSS」設立。近年の出演作にドラマ『ワンダーハッチㄜ空飛ぶ竜の島−』、映画『劇場版 アナウンサーたちの戦争』、舞台『ロスメルスホルム』など。映画『雨の中の慾情』が2024年11月29日公開予定。

Bunkamura Production 2024『台風23号』

Bunkamuraシアターコクーンにこれまで5つの新作を書き下ろし、演出・出演してきた赤堀雅秋の最新作。物語の舞台は、台風が迫っているとある町。そこで生きる市井の人々を赤堀ならではの視点でとらえ、圧倒的な自然の力を前に浮かび上がる人間模様を、豪華俳優陣で描き出す。

作・演出/赤堀雅秋
出演/森田 剛、間宮祥太朗、木村多江、藤井 隆、伊原六花、駒木根隆介、赤堀雅秋、秋山菜津子、佐藤B作

THEATER MILANO-Za
2024年10月5日(土)〜27日(日)
S席1万2000円ほか
Bunkamura:03(3477)3244(平日10時〜18時)
URL:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/24_taifu23/
※2024年11月1日(金)〜9日(土)に大阪、愛知公演あり

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年11月号

家庭画報 2024年11月号

撮影/筒井義昭 スタイリング/松川 総 ヘア&メイク/TAKAI 取材・文/岡﨑 香

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