〔特集〕錦秋の京都を訪ねて イロハモミジの燃えるような赤に染まる京都の秋。平安貴族たちが競い合うように和歌や日記に残した紅葉の名所は、今も私たちに眼福を与えてくれます。人気の観光地にあっても、未だ静けさの残る奥京都へ秋の美味と令和の紅葉狩りへと皆様をご案内いたします。
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奥京都で紅葉狩りの昼膳&アフタヌーンティーを
観光客で賑わう市街地から足を延ばし、遠足気分で美味なる紅葉狩りへ。歴史を物語る凜とした雰囲気とその土地ならではの旬味を求めて、旅の目的地となる美味処へご案内します。
〔修学院〕山ばな 平八茶屋
高野川畔の景勝地で奥ゆかしき若狭懐石を
手前から、鯛の小袖寿司、いか紅葉おろし、いが栗、柿たまごなど、秋の風情を盛り込んだ八寸。焼き物の「ぐじ若狭焼きと焼き松茸」。日本海であがる赤甘鯛を用い、ぐじ特有のぷりっとした身と香りを楽しめる。
京都と若狭を結ぶ鯖街道を行き交う旅人の休み処として天正年間、安土桃山時代に創業した「山ばな 平八茶屋」。東に比叡山、西に高野川の清流を望む景勝地にあり、約600坪の庭園に大小の座敷が点在しています。
創業440年の老舗料亭の味を今につなぐ、園部晋吾さん。
だしの材料や引き方を変え、進化させている「土瓶蒸し」。
季節を映した「若狭懐石」は若狭や琵琶湖とかかわりの深いこの地にちなんだ献立です。「街中から一歩離れた里の料理でシンプルな仕立てですが、時代とともに新しい試みも取り入れています」という21代目主人・園部晋吾さん。その言葉のとおり派手さはありませんが、ぐじ若狭焼きは塩加減や火入れでうろこはサクサク、身はしっとりと仕上げ、コースの最後を飾る、名物「麦飯とろろ汁」もだしや米を吟味して当代の味に進化させています。
庭でも部屋でも紅葉を満喫。日常を忘れる特別な一日となりそうです。
岩倉具視や夏目漱石、北大路魯山人らが訪れた料理店として知られる。11月末から紅葉が始まり、全室で錦秋を楽しめる。
山ばな 平八茶屋住所:京都市左京区山端川岸町8-1
TEL:075(781)5008
営業時間:11時30分〜13時、17時〜19時(ともに最終入店)
定休日:水曜
「若狭懐石」1万6500円~。写真は2万4200円のコースより
※要予約
(次回へ続く。
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