〔特集〕心躍る、新しい銀座へ 訪れるたびに新しい楽しみに出会える街、銀座。歌舞伎の世界での活躍に加え、この秋公開の映画『八犬伝』でも話題を集める尾上右近さんが、この街の魅力を再発見します。
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尾上右近さんが銀座の魅力を“再・発見伝”
職人技を目の前で堪能できる
“観劇”気分も味わえる、銀座の高級カウンター
外堀通りに面したビルの11階にあるラウンジバー「グレイルーム」のテラスは銀座の街並みを地上30メートルから眺められる特等席。カーディガン7万1500円/アンペイブド(ザ・ピーアール)
世界中の美味が集まる街・銀座で、今、出かけたいのはカウンタースタイルの店。料理人の技を間近で眺め、会話を楽しみながらのライブ感溢れる食の魅力を、尾上右近さんがご案内します。
尾上右近(おのえ・うこん)立役、女方、清元唄方を兼ねる花形歌舞伎俳優。確かな実力で多方面で活躍、映画『燃えよ剣』では日本アカデミ一賞 新人俳優賞受賞。本年は映画『八犬伝』、『十一人の賊軍』、錦秋十月大歌舞伎『音菊曽我彩(おとにきくそがのいろどり)』、歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』の公演が控えている。
蕎麦割烹 橙(銀座5丁目)
中国料理のエッセンスを添えた、そばのフルコース
打ちたてのせいろそばの香りと喉ごしを五感で堪能する右近さん。まずは塩とわさびでいただきます。「歌舞伎には舞台の上で本物のそばを食べる『直侍(なおざむらい)(雪暮夜入谷畦道/ゆきのゆうべいりやのあぜみち)』という芝居もあります。役者としてはそばは格好よく食べたいですね」。
「そばそのものの味と思いがけないアレンジのどちらも絶品です」── 尾上右近さん歌舞伎座に程近い銀座5丁目に2023年12月にオープンした「蕎麦割烹 橙」。中国料理のシェフとして名高い脇屋友詞さんが監修した、そばのフルコースを楽しむことができるお店です。
そば打ちの名人として名高い「翁達磨」の高橋邦弘氏のもとで修業を積んだ店主の森 大和さんと、樹齢2000年の香杉の一枚板を使用したカウンター越しに会話が弾みます。日本酒に加え、料理とマリアージュしたワインやシャンパンも充実。
「そばが大好きで、いつか自分の店を持ちたいと思っていました」と語る脇屋友詞さんと。
「からすみそば」、「せいろ」、締めの「温かいそば」と3種類のそばの合間に供される割烹料理は、どこかチャイニーズを感じさせ、Wakiyaのエッセンスが光ります。
森さんが目の前で包丁を入れると、フカヒレとスープが溢れ出すだし巻き卵。
この日の締めは「焼きなすとアサリの蕎麦」。中国料理の「毛湯(マオタン)」をベースにしたスープと日本そばの組み合わせに「これまで味わったことのない、不思議なおいしさです」と右近さん。
「そばは大好きですが、こんなスタイルのお店は初めて!受け継がれてきた正統的な二八そばを土台に、新しい発想をプラスして驚きや感動を味わえるコースには、歌舞伎役者としても学びがありました」と尾上右近さん。
江戸の風情漂う世話物の第一人者といわれた六代目尾上菊五郎を曽祖父に持つだけに、そばの食べ方は惚れ惚れするほど粋でした。
蕎麦割烹 橙(だいだい)住所:東京都中央区銀座5-10-5 スリーY’S & D 3階
TEL:050-3662-0054
営業時間:12時~15時(14時30分LO)、17時~22時(21時LO)
定休日:日曜・月曜
個室あり 予約制 コース1万5000円~
グレイルーム(銀座6丁目)
スパイスのきいたカクテルとモダンインド料理を
ずらりとスパイスが並ぶカウンターで味わうのは、歌舞伎俳優と清元の二刀流で活躍する右近さんにぴったりな、味と香りの二刀流を楽しめるオリジナルの焼酎カクテル。「インドのスパイスと日本の焼酎の組み合わせが絶妙。カルダモンの香りがいいですね」。
「スパイス料理を肴にお酒が進む歌舞伎座の帰りに寄りたいお店」── 尾上右近さん年間360食がカレーという、カレーマニアとして知られる右近さんが興味津々で訪れた「グレイルーム」は、スパイスを用いたカクテル&モクテルをはじめ、モダンインド料理をベースにしたバーフードを提供するラウンジバーです。
季節のビリヤニと2種のカレーのセット「シーフード&ミート」2800円。
オリジナルのスパイス焼酎カクテル「アペロール だいやめ スプリッツアー」1800円(予定価格)。
「歌舞伎座の夜の部が終わった後の遅い時間でもお酒と一緒にカレーやビリヤニを楽しめるのがいいですね。インドのウィスキーの品揃えも気になります」
THE GREY ROOM住所:東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 11階
TEL:03(6274)6023
営業時間:火曜~木曜 15時~24時(23時LO)、金曜~日曜11時30分~24時(23時LO)
定休日:月曜(祝日の場合は営業、火曜休)
(次回へ続く。
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尾上右近さん出演の映画『 八犬伝』
©2024『 八犬伝』FILM PARTNERS
この秋、話題の映画『八犬伝』。役所広司さん演じる滝沢馬琴が綴った『八犬伝』の“虚”の世界のスペクタクルと馬琴自身の半生を描いた“実”のパートの感動が交錯するエンターテインメント大作です。
©2024『 八犬伝』FILM PARTNERS
右近さんが登場するのは鶴屋南北が劇中で披露する『東海道四谷怪談』の初演の場面。
「僕にとって血の繫がる一番遠い先祖である三世尾上菊五郎の役として、お岩様を演じさせていただきました。来年で初演から200年を迎える『東海道四谷怪談』が映画でどう描かれているかお見逃しなく!」と右近さん。
原作/『八犬伝 上・下』山田風太郎(角川文庫)
監督・脚本/曽利文彦
出演/役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木 仁、板垣李光人、水上恒司、松岡広大、佳久 創、藤岡真威人、上杉柊平、栗山千明、中村獅童、尾上右近、磯村勇斗、黒木 華、寺島しのぶほか
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