洋の東西を問わず、人は古くから月の輝きに魅せられてきました。夜ごと変わるその姿に天上の存在を思い描いたり、暦を導いて時の標(しるべ)としたり。そんな月の神秘を職人の叡智で表現したのがムーンフェイズです。小さな腕時計の上で、夜空に浮かぶ月と連動して満ち欠けを繰り返すこの機構。日々その形を変える様は悠久の時の流れを感じさせつつ、装いにエレガンスを加えるアクセントにもなります。
スイスで約290年の歴史を持つ「ブランパン」のドレスウォッチ「ヴィルレ」は、そんなムーンフェイズの美しさを巧みに生かした名品。小ぶりのケースや曲線美が光る針といったクラシカルな造形に、絵画的なムーンフェイズが華麗な彩りを添えています。ブランドの本拠地であるジュウ渓谷の森に想を得た、深いグリーンとも絶妙にマッチ。メンズモデルも揃うため、ペアで楽しむのもおすすめです。
シックなグリーンに映えるレッドゴールドとダイヤモンド
ブランパンが工房を構えるジュウ渓谷は、澄んだ湖を生い茂る森が囲む自然豊かな土地。その緑を文字盤とストラップで表現した「ヴィルレ」シリーズの新作です。約1ctものダイヤモンドを用いた、シックにして煌びやかな一本に。
機能性にも優れた新作メンズウォッチ
こちらはメンズモデル。ケース外周に段差をつけたダブルステップドベゼルや、月・曜日・日付を表示するコンプリートカレンダー機構が特徴です。文字盤には放射状にヘアライン仕上げが施されて美しい光沢を湛え、レッドゴールドの気品を引き立てています。
・「ブランパン」の魅力を公式サイトでもっと詳しく⇒
ムーンフェイズは文字盤に華やぎをもたらす装飾であり、時計師たちが誇る職人技の結晶でもあります。わずか数十ミリのムーブメントに歯車やゼンマイなどをぎっしりと詰め込み、それらを寸分の狂いもなく連動させて時を刻む機械式時計。そこに月の満ち欠けという複雑な動きを加えるために、想像も及ばないほどの精緻な設計がなされているのです。
それを自社で製作できるブランドは“マニュファクチュール”と呼ばれ、世界でも数えるほどしか存在しません。その一つがブランパンであり、しかも創業1735年という歴史は現存最古級。親から子へ、さらにその先へと、世代を超えて引き継ぐ一本にふさわしい信頼性と品質。それがブランパンの真骨頂です。
ペアで揃えて、同じ時を刻む。そして、重ねた時を次の世代へ手渡す。そこには、“時を楽しむ”という新たな喜びが待っています。
ムーンフェイズの“表情”にも独自の遊び心が
「ヴィルレ」シリーズの定番モデル。クラシカルなローマ数字インデックスにあたたかみのある白文字盤、華やかなレッドゴールドケースが美しく調和した一本です。よく見ると、ムーンフェイズの口もとには星形のつけぼくろが。控えめな遊び心が光ります。
メンズのムーンフェイズは“流し目”でさりげない個性を発揮
メンズモデルのムーンフェイズもユニークで可愛らしい表情。日付やムーンフェイズの操作は通常、ケース横のボタンで行いますが、ブランパンはそのボタンをケース裏に隠した「アンダーラグコレクター」を採用。シンプルな美しさにこだわっています。
●お問い合わせ
ブランパン ブティック 銀座
電話 03(6254)7233
URL:https://www.blancpain.com/
撮影/Fumito Shibasaki〈Donna〉 文/小曽根広光 背景写真/Alamy/アフロ