名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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竹内(たけうち)
「竹内」は東北南部以外に広く分布している名字で、とくに福井県・長野県・愛知県の3県に多く、いずれも県順位で20位以内となっています。
なかでも愛知県の知多半島には竹内さんが多く、半田市や知多市を中心とした地域に1万人以上の竹内さんが住んでいます。
さて、「竹内」は地形由来の名字です。多くは、文字通り竹に囲まれた場所に住んでいたのがルーツでしょう。
ところが、別の由来を持つ「竹内」さんもいます。
中世の武士は屋敷の周りに竹を植えました。これは、敵から攻められた際に竹垣で防御できるだけではありません。
中世の武士が戦うのは弓矢が中心です。弓矢の材料は竹のため、竹を植えるとことで武器の調達ができたのです。さらに竹を切って竹槍を作ることもできました。
こうしたことから、武士の館のあった場所には、地名として「竹」という言葉が使われることも多く、「竹内」という言葉は中世武士の館をも意味したのです。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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