これまでのトレーニングは間違っていた!? 正しい使い方で疲れ知らずの「カラダ」になる 第1回 カラダが疲れやすくなり、体力の衰えを感じていませんか。その原因の多くは、加齢ではなく機能運動性の低下によるものです。カラダの正しい使い方を知ることで機能運動性を高めましょう。
カラダは楽な姿勢を取りたがる怠け者。使わない部分からどんどん弱っていく
TAI NYC 院長
米国政府公認 カイロプラクティックドクター
仲野広倫(ひろみち)先生(兄)Back to Basics 院長
鍼灸師・ヨガインストラクター
仲野有草(ゆうそう)先生(弟)疲労や慢性的な痛みは老化や加齢が原因ではない⁉
「カラダは老化していくため、誰でも年齢とともに疲れやすくなったり腰や膝に慢性的な痛みを抱えたりします」と米国でスポーツ医学を専門とするドクターとして活躍する仲野広倫先生は指摘します。
しかし、意外なことに、これらの原因の多くは老化や加齢によるものではないといいます。「もともと悪くなっていた部分があって自己治癒が追いつかなくなったせいです」。広倫先生によると日常動作でも疲労は蓄積し、その負荷に耐えられなければ筋肉などが壊れ、それを修復することを、カラダは日々繰り返しているそうです。
また、「カラダは楽な姿勢を取りたがる怠け者。使わない部分から弱っていきます。結果、カラダを動かしたいように動かせる機能運動性が失われていくのです」。
体力の衰えを実感するのは、カラダの機能運動性が落ちている重要なサイン
カラダの機能障害は生活習慣から起こってくる
機能運動性とは、柔軟性(関節の可動域)、安定性(筋肉の強さ)、バランス(動きの協調性)の総合力を指します。「この機能運動性が高いほど、カラダを動かしたいように動かせ、かつ疲れにくい状態をつくることができます。逆説的にいえば疲れやすくなったり、体力の衰えを感じたり、腰や股関節、膝など広範囲にわたって慢性的な痛みを抱えたりしているのは、機能運動性が低下しているという重要なサインなのです」。
若い人の歩くスピードについていけない、階段を上がると疲れる、歩行中に人とぶつかりやすくなった、脚を組まないと座れないといったカラダの変化も機能運動性の低下に起因しているといいます。
一方、現代人のカラダが弱っていく(機能運動性が低下する)パターンは大体決まっているそうです。椅子に座る生活が多いため、腰や股関節まわりの筋肉が疲れて硬くなります。さらに臀部の筋肉が使われずに弱くなり、立ったときに自分のカラダをしっかり支えられなくなります。すると腰が前傾し、膝が曲がって猫背になります。さらに筋肉による支えがなくなった関節には負荷がかかり、可動域が狭くなって、あぐらがかけなくなるというのが典型的な衰え方です。
「激しい運動をしていなくても、何げない日常動作が気づかないうちにカラダにダメージを与えています。例えば、長時間スマートフォンを見たり、悪い姿勢で座り続けたりするのは首の筋肉損傷につながっています。カラダの機能障害は生活習慣から起こることを、この機会に知ってください」
姿勢の悪さは「老化」の始まり
年齢を理由に放置するのはキケン
気づかないうちに崩れていく姿勢。それは「老化」の始まりです。長年、悪い姿勢を放置すると見た目だけでなく、カラダの機能運動性が失われ、体力も衰えていきます。
【正しい姿勢】「ポステリアチェーン」と呼ばれるカラダの後ろ側の筋肉をフルに使うことによって、骨盤がまっすぐに立ち、背骨がゆるやかなカーブを描く正しい姿勢が維持できる。
【40~50代の女性に多い姿勢】「ポステリアチェーン」の筋肉が衰えると、自分のカラダを支えられなくなり、腰が前傾し膝が曲がって猫背になったり、骨盤が前側に倒れて腰が反ったりする。
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【20~30年後の姿勢】悪い姿勢を放置すると機能運動性が失われ、首が前に出て膝が曲がった老人の姿勢になり、意識的に正しい姿勢に戻そうとしてもできなくなる。
(次回へ続く。)
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