正しい使い方で疲れ知らずの「カラダ」になる 第7回 カラダが疲れやすくなり、体力の衰えを感じていませんか。その原因の多くは、加齢ではなく機能運動性の低下によるものです。カラダの正しい使い方を知ることで機能運動性を高めましょう。
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クイズ形式で学ぶ「新・運動常識」
当たり前だと思って実践しているケアやトレーニングの中には間違ったものがいろいろあります。そこで仲野広倫先生に、米国などスポーツ医学先進国で取り組まれている新・運動常識について教えていただきます。
Q 1
より高く、ジャンプができるのはどちら?
(A)しっかり30分かけてストレッチをした人
(B)その場でいきなりジャンプをした人
正解は(B)運動前のストレッチはパフォーマンスを下げるスポーツ医学の研究によりストレッチは運動のパフォーマンスを低下させることが明らかになっています。特に筋肉をゆっくり伸ばす「静的ストレッチ」は運動前に行うのはよくないとされています。軽く歩く、走る、関節をブラブラ動かすなど、それぞれの競技に適した軽い負荷をかけた動きが運動前のウォームアップには望ましいのです。運動後はクールダウンも必要。激しい運動を行ったときはゆっくり終了します。
Q 2
張りを感じた筋肉には、どのようなケアをするのがよい?
(A)運動前後にいつも以上に入念にストレッチをする
(B)ストレッチを禁止して、別のトレーニングを行う
正解は(B)痛めた箇所をストレッチするのは厳禁
筋肉に張りなどを感じたとき、よく「筋(すじ)を痛めた」という表現をします。筋(すじ)とは筋肉の一部である腱のことを指します。腱と骨の接合部でケガが起こったときの原因は、たいていオーバーストレッチによるものです。ストレッチを続けるほど症状が悪化してしまうため、即刻中止して、筋肉の強さを出すトレーニングに切り替えることが大切です。