睡眠を科学する 質の高い睡眠こそ長生きの鍵! 第3回 世界中の睡眠研究から、睡眠と深刻な病気との関係が明らかになっています。毎日きちんと眠り、心と体をリセットすることで、年齢に関係なく最高のコンディションを保つことができ、それは健康長寿にもつながります。
前回の記事はこちら>>
睡眠のメカニズムを知る 睡眠は体内時計の影響を強く受けている!
質の高い睡眠に不可欠なセロトニンとメラトニン
●お話を伺った方日本睡眠学会指導医 医療法人RESM理事長の白濱龍太郎先生「生物には体内時計(サーカディアンリズム)が備わっており、睡眠はその影響を強く受けています。夜になると眠くなり、朝がくると目覚めるのはサーカディアンリズムによるものです」
サーカディアンリズムと体の働き
ⓒ『「寝つきが悪い」「すぐに目が覚めてしまう」人のお助けBOOK』(主婦の友社)を参考に作成
このサーカディアンリズムに深くかかわっているのがホルモンの一種であるセロトニンとメラトニンです。セロトニンは太陽光を浴びると分泌量が増え、メラトニンの原料になります。そして、夜になると睡眠ホルモンといわれるメラトニンに変換されます。
メラトニンは太陽光を浴びると分泌量が減少し、暗くなると分泌量が増えて眠気を促します。眠くなるには自律神経の副交感神経が優位になること、深部体温が下がることも必要で、メラトニンはこれらの働きも促進します。
「睡眠のメカニズムからいえばセロトニンとメラトニンがきちんと分泌されて、そのサイクルが機能し、サーカディアンリズムが整っていれば質の高い睡眠がとれます。しかし、メラトニンは加齢に伴って分泌量が減り、40代に入るとピーク時の6分の1まで減少します。さらにサーカディアンリズムも狂いやすくなるのです。こうした生体の変化を補うには生活を大きく変えるような工夫が必要です」
まず自分の睡眠状態を確認しましょう。そして、睡眠の質が低下していることがわかったら第5回の記事で紹介する快眠法をぜひお試しください。
最近の睡眠の質チェック
直近3日間の睡眠を振り返りながら、以下の項目で当てはまるものをチェックしてください。
[ ]眠る直前までスマホを見ている
[ ]よく電気をつけたまま寝落ちする
[ ]22時以降に晩ごはんを食べる
[ ]休みの日は平日よりも1時間以上睡眠時間が長い
[ ]寝る直前に歯を磨く
[ ]朝起きてもカーテンを開けない
[ ]靴下をはいたまま寝ている
[ ]打ち合わせ中に眠くなる
[ ]電車で座ったとたんに寝てしまう
[ ]布団に入っても30分以上眠れないことがある
[ ]睡眠時間は足りているのに、朝すっきり起きられない
3つ以上当てはまったら睡眠の質が悪くなっているサイン
(次回へ続く。)
・
特集「睡眠を科学する 質の高い睡眠こそ長生きの鍵!」の記事一覧はこちら>>>