睡眠を科学する 質の高い睡眠こそ長生きの鍵! 第5回 世界中の睡眠研究から、睡眠と深刻な病気との関係が明らかになっています。毎日きちんと眠り、心と体をリセットすることで、年齢に関係なく最高のコンディションを保つことができ、それは健康長寿にもつながります。
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睡眠のメカニズムから対処する快眠法 深部体温を下げる
深部体温が下がると眠くなる仕組みがある
内臓など体の内部の深部体温も睡眠と深い関係にあります。深部体温はメラトニンの働きなどによって一日を通して決まったリズムで変動しています。朝目覚める頃から上昇し始め、日中は高めのまま推移し、夕方以降徐々に下がり、就寝時に最も低くなります。
「体には深部体温が下がると眠くなる仕組みが備わっています。そのため、深部体温のリズムが狂うと睡眠の質が悪くなるのです」(日本睡眠学会指導医 医療法人RESM理事長の白濱龍太郎先生)
深部体温は入浴の方法を工夫すると意図的に下げられることがわかっています。ぜひ取り入れてみましょう。
深部体温の低下と眠りの関係
*深部体温が下がると眠気が生じ、眠ると深部体温が急激に下がる
寝る2時間前にお風呂に浸かる
「深部体温が下がる直前にいったん上げると、その分深く下がる」という変動の特徴を利用すると通常よりも強い眠気が訪れて深く眠れます。就寝時刻の2時間前にお風呂に浸かって体を芯から温めましょう。サウナも効果的です。
睡眠ミニコラム
眠れない原因は世代によっても違う
若年層…… 夜更かし
中高年…… 副交感神経の機能低下
高齢者…… 活動量の減少
若年層では夜更かしが寝つきの悪さを引き起こします。一方、中高年や高齢者では副交感神経の機能低下、日中の活動量の減少など加齢による生体の変化が原因です。40歳を過ぎたら意識的に睡眠をケアすることが必要です。 ⓒ『「寝つきが悪い」「すぐに目が覚めてしまう」人のお助けBOOK』(主婦の友社)を参考に作成
仰向けに大の字に寝て体の熱を放出する
仰向けに大の字に寝ると体が圧迫されないため、血行がよくなり、深部体温が下がりやすくなります。また、手足を大きく広げると熱がこもりにくい利点もあります。ただし、いびきをかく人は呼吸が楽に行える横向きがおすすめです。
(次回へ続く。)
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