今から始めるメンテナンスで“目”の健康寿命を延ばす 第3回 年齢を重ねると特に気になるのが、老眼(老視)や白内障による見えにくさです。眼科医の平松 類先生によると、ほぼすべての人が老眼や白内障になるとのこと。少しでも進行を遅らせる方法について教えていただきます。
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デジタル×加齢でダメージを受けるからこそ 正しい目薬の使い方で目を大切に
ドライアイ、アレルギー、眼精疲労、ものもらいなど、目にはさまざまなトラブルが起こります。痛みや腫れが強ければ眼科ですぐに診察を受けるべきですが、そうではない場合、目薬などのセルフケアを試すのも方法です。目薬について「ロート製薬」の専門家に聞きました。
堀田 敏行(ほった としゆき)さん
ロート製薬 アイケア製品開発部 アイケア開発グループ リーダー
高井 良宏(たかい よしひろ)さん
ロート製薬 アイケア製品開発部 眼科研究グループ マネージャー
症状に応じ、効果のある成分を配合
目のトラブルのうち、特に起こりやすいのがドライアイです。目がかすむ、見えにくい、目にゴロゴロとした異物感がある、と感じ方はさまざま。ロート製薬 アイケア製品開発部の高井良宏さんは、ドライアイを招きやすい原因として、3つの“コン”を挙げます(下参照)。「生活習慣を見直すだけでもドライアイの症状を軽減できるかもしれません」。
ドライアイを招きやすい3つの“コン”
ソフトコンタクトレンズハードコンタクトレンズよりもドライアイになりやすい。使用時間を短くする、乾きにくいタイプに替えるなどの工夫を。
パソコン作業作業に集中するとまばたきが減り、目の表面が乾きやすくなる。休憩をはさみ、目を閉じて休ませる。
エアコン冷房も暖房も空気を乾燥させるため、エアコンの風が直接目に当たらないように気をつける。
涙は、外側から油層、糖たんぱくを含む液層の2層で構成されています。この涙の層が何らかの理由でうまく作られなくなったり、涙の分泌量が減ったりするとドライアイを招きます。ドライアイ用の目薬は「涙が目の表面に残るように粘度を上げる成分を加え、角膜を保護するように設計しています。また、油層に着目した医薬品用のごま油(ゆ)や液層を涙液に近づけるためのミネラルなどを加えています」と堀田敏行さん(ロート製薬 アイケア製品開発部)。
目のかゆみ用にはアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン成分、眼疲労用には目の疲れを取るビタミンB群、ものもらいのような症状用には抗菌成分が含まれています。このように目薬は症状に応じて配合が工夫されているのです。パッケージの説明をよく読んで、症状に合うものを選びましょう。薬剤師に相談するのもおすすめです。
ドライアイ、眼疲労など症状別に使い分ける
目薬は開封後、常温保存で、3か月をめどに使いきる目薬の保存は常温でOK。夏は高温になるため車のダッシュボードなどに入れっぱなしにしない。開封後は3か月程度をめどに使いきる。目薬は症状別に選ぶのが原則で、かすみ目や目の不調が気になり始めた50代以降には「ピント調節を助け、角膜をケアする成分が含まれているVロートアクティブプレミアムがおすすめです」(堀田さん)。
1滴を目に入れ、目頭を押さえるのが効果的
目薬のさし方にはコツがあります(下参照)。まず、菌やウイルスの感染を防ぐために手を洗います。そして、顔を上向きにして下まぶたを少し引き下げ、目薬を目に1滴入れます。点眼後に手の圧を緩めると液が点眼ボトルに引き込まれるため、まつげなどに触れてしまうと、まつげに付着していた汚れが吸引されてしまうので、気をつけましょう。その後、目頭を1分ほど押さえます。これは目薬を目の表面に留め、目の奥に流れてしまわないようにするためです。
目薬の効果的なさし方
1 ウイルスや菌の感染を防ぐため、目もとを触る前にまず入念に手を洗い、清潔な状態にする。
2 上を向き、下まぶたを指で少し下げて、目薬を1滴落とす。このとき目薬の容器がまつげやまぶたに触れないように気をつける。
3 目を閉じて、目頭を1分ほど軽く押さえる。こうすることで、目薬が目の表面に留まり、効果を得ることができる。
「一日の点眼回数は製品によって異なるので、容器やパッケージを確認してください」(堀田さん)。コンタクトレンズをつけたまま点眼すると一部の成分がレンズに吸着することがあるため、商品を選ぶときに注意が必要です。「3、4日使っても症状が改善しない場合は眼科を受診することをおすすめします」(高井さん)。
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