連載「季節のクリッピング」12月 大雪(たいせつ)・次候(じこう)
楓蔦黄(もみじつたきばむ)
選・文=平井正則(日本暦学会会長) エネルギーを脂肪として蓄え、食料が不足する冬季に備える熊。冬眠中は最小限のエネルギーで穴の中で暮らす一方、他の動物に襲われない安全な場所だからという理由で、出産をする熊もいるそう。寒く厳しい冬を乗り越え、新しい生命とともに春を迎えるのです。
「熊蟄穴(くまあなにこもる)」七十二候大雪・次候(12月12日から15日)。熊が穴に入る姿を実際に見ることはできないにもかかわらず、この言葉を生み出したところに先人の豊かな想像力がうかがえます。目で見たものや聞こえてきた音、体で感じたものが言葉になることが多い七十二候のなかでは、珍しい候です。
制作・撮影=岡本なう(洗濯バサミフォトグラファー)茶色の洗濯バサミ98個、足と耳には大きい洗濯竿用の洗濯バサミを3個、鼻には画鋲を使い、可愛らしい熊になるように意識して制作と撮影をした。竿用の洗濯バサミ2個で全体を支えているので、バランスを保つのが難しかった。
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