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ルーツは海の神。様々な漢字を書く「あずみ」さん。安海・安曇・阿住・阿澄どれも珍しい

2025.01.14

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

安住(あずみ)

「安住」と書いて、「あずみ」と読みます。ちょっと難読の名字とも言えます。

「あずみ」と読む名字には、いろいろな書き方があります。もっとも多いのが「安住」で、全国ランキング4000位以内という普通の名字です。次いで「安海」「安曇」が多く、いずれも珍しい名字です。このほかにも「安積」「阿住」「阿澄」など様々な漢字を書く「あずみ」さんがおり、どれもかなり珍しい名字となっています。

こうした多くの「あずみ」という名字は、古代豪族の安曇(あずみ)氏の末裔と言われています。


安曇氏は筑前国糟屋郡安曇郷(現在の福岡市)をルーツとし、海の神である綿津見命(わたつみのみこと)を祖とする海の一族です。

「漢委奴国王印」の金印が発見されたことで有名な志賀島を本拠地として、大陸とも交易がありました。志賀島にある志賀海神社は全国の綿津見神社の総本家で、現在でも安曇家が社家をつとめています。

安曇氏はのち各地に移住しました。長野県の安曇野をはじめ、「あずみ」「あつみ」などの地名は安曇一族の移住先であることが多いといわれます。

森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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