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米倉涼子さんの「気になる医学」。人生の大先輩・天野惠子先生に聞く“女性の体と心”

2024.12.24

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今、会いたい名医「ドクターA」に聞く 米倉涼子の「気になる医学」第8回

医療ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』で天才外科医・大門未知子役を演じてきた米倉涼子さんが、会ってみたい名医と対談する不定期連載の8回目。今回は、82歳の今も女性外来で診療にあたる伝説の医師・天野惠子先生がご登場。日本に初めて性差医療の概念を導入、さらには女性外来を作り、後輩女医たちを指導してきた人生の大先輩に米倉さんも尊敬の眼差し。意義深い対談となりました。

シャツ18万400円 ベスト12万3200円 パンツ21万3400円 ベルト6万9300円 靴16万3900円/すべてロエベ(ロエベ ジャパンクライアントサービス) イヤリング(右)33万6600円 (左)33万6600円/ともにレポシ(レポシ日本橋三越本店)

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初顔合わせのお二人、健康談議に花が咲いて。「『50歳を過ぎると、体と心にいろいろ現れてくるのよ』と聞きます」(米倉さん)、「確かに、その頃から変化が見えてくるわね」(天野先生)。


健康で長生きするには運動と入浴が一番

[ドクター・Aこと]天野惠子先生(静風荘病院特別顧問)[ドクター・A]こと天野惠子先生(静風荘病院特別顧問)天野惠子(あまの・けいこ)
1942年11月16日生まれ。愛媛県出身。循環器内科医。静風荘病院特別顧問。父の転勤のため6歳で秋田へ。秋田大学附属中学から品川区立荏原第一中学に編入、日比谷高等学校卒業。67年東京大学医学部卒業。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。元夫との間に娘3人。孫は6人。
●座右の銘/「弱きを助け、強きを挫く」が信条。


好評発売中の『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』と『女の一生は女性ホルモンに支配されている!』(小社刊)。

好評発売中の『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』と『女の一生は女性ホルモンに支配されている!』(世界文化社刊)。

米倉さんから見た天野先生の印象→「オープンでお話ししやすくて、港のような安心感でした。こんな先生がそばにいてくださったら、幸せですよね」
米倉 涼子さん(俳優) ニット7万5900円 キャミソール9万3500円/ともにN°21(イザ) イヤーカフ(ストーン) 8万2500円 (ゴールド)6万2700円/ともにヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ)  リング41万300円/レポシ(レポシ日本橋三越本店)

ニット7万5900円 キャミソール9万3500円/ともにN°21(イザ) イヤーカフ(ストーン) 8万2500円 (ゴールド)6万2700円/ともにヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ) リング41万300円/レポシ(レポシ日本橋三越本店)

米倉 涼子(よねくら・りょうこ)
1975年8月1日生まれ。神奈川県出身。B型。5歳から15年間クラシックバレエを習う。2012年に開始、第7期まで放映された『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系)は米倉さんを想定した当て書き。「私、失敗しないので」の決め台詞で知られる国民的人気ドラマで、21年までに通算シリーズ7本、スペシャル1本が放送された。惜しまれながら、24年12月6日公開の劇場版で完結する予定。10月8日の完成報告会見には、同月17日に逝去された西田敏行さんも出席され、作品とご自身の役への熱い思いを語っていた。
●座右の銘/「万里一空」

天野先生から見た米倉さんの印象→「私の娘と同世代なので、娘のように思いながら話していました。とてもいい方。会話のキャッチボールが早かったです」

信念
「弱きを助け、強きを挫く。その信念が医師としての生き方の根本にあります」

激務をこなしながら子育てもされた、スーパーウーマンの先生に失敗経験を尋ねてみると「それは結婚よ(苦笑)。でもすぐに別れていたら、大切な娘や孫たちに出会えなかったわね」。

激務をこなしながら子育てもされた、スーパーウーマンの先生に失敗経験を尋ねてみると「それは結婚よ(苦笑)。でもすぐに別れていたら、大切な娘や孫たちに出会えなかったわね」。


50歳を過ぎると変化が起きる女性の体と心

米倉さん(以下Y)天野先生、今日お会いできることを楽しみにしておりました。よろしくお願いいたします。

天野先生(以下A)私も、お話しするのを楽しみにしていました。

Y 80歳を過ぎた今も現役の医師として診療にあたられているんですよね?

A ええ。今82歳ですが、週に2回、女性外来で診察にあたっています。

Y 先生、私よりお元気そうです! 

A そういえば米倉さん、体調をくずされていましたよね?

Y はい。2019年に脳脊髄液減少症を発症しまして。23年に、施術していただいたブラッドパッチ療法の効果でだいぶ改善されたのですが、この数年間、舞台を降板せざるをえなかったりショックなことも多かったんです。今、やっと少し落ち着いているのに……更年期をなんとか避けて通ることはできないものでしょうか(苦笑)。

A まあでも、最近の産婦人科の先生たちは更年期障害にも詳しくなられて、ホルモン補充療法のこともよく勉強されているから安心ですよ。

Y 更年期の症状には、300種類以上あると聞いたことがあります。

A 関節痛や気持ちの落ち込み、頭痛、めまいなどいろいろありますね。

Y それだけ多いと、原因を見極めるのは難しそうですね。お医者様は、すぐに特定できるものなのでしょうか。

A それが、なかなか難しいんですよ。ですから、私は初診の前に、いつからどんな症状が出始めたのか、受けてきた治療や何の薬を服用してきたのか、患者さんにすべて書き出していただくようにしているんです。それを拝見したうえで予約制の初診では、30分から1時間ほどお話を伺っています。

Y 先生もとてもお忙しいのに、そんなに長くお話を聞かれるのですね。

A 患者さんファーストが信条なのでね。ホットフラッシュと尋常でない発汗があれば更年期障害の可能性が高いですが、医者からすると死ぬ結果になるような症状や、的確な治療がある症状を見逃してはいけないんです。だから、頭痛があったら必ずCTを撮る、心臓に気になる症状があったら必要な検査をしっかり行う。更年期障害に300種類の症状があったとしても、あらゆる可能性を想定し調べて、病気を除外していかなければならないんです。それに、更年期障害や慢性疲労症候群、微小血管狭心症などの苦しい症状を抱えて、全国から来てくださる患者さんたちのお話には、治療に有効なヒントがたくさん隠れているんですよ。

Y 更年期症状かも?と思っても、まずは人間ドックや病院の検査を受診する。重篤な病気ではなかったら、更年期障害の可能性があるから何らかの治療を受ける、という流れでしょうか?

A そのとおりです。漢方薬に経口薬、貼り薬、塗り薬のホルモン療法もありますし、今は治療の選択肢も豊富になりましたから、女性外来で気軽に相談されるといいですよ。

撮影/鍋島徳恭 スタイリング/野村昌司(米倉さん) ヘア&メイク/奥原清一(米倉さん) 遠藤芹菜(天野先生) 取材・文/小松庸子

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