習慣
「日々の温活が何より大切!朝晩の入浴と週2回のラジオ波施術は欠かせません」
「クラシックバレエをやめたら途端に体がむくむようになって。温熱療法を始めて少し楽になったので、朝晩の入浴と週2〜3回のラジオ波施術は20代半ばからの習慣になっています」。ジャケット35万7500円/ランバン(コロネット) イヤリング5万9400円/ラリック(ラリックジャパン) リング41万300円/レポシ(レポシ日本橋三越本店)
性差に基づく、女性のための医療の概念を日本に導入
Y 先生は女性医療のパイオニアといわれていますが、日本に“性差医療”の考え方を初めて紹介されたんですよね。
A きっかけは、1980年代前半に狭心症の症状を訴える更年期世代の女性が多くやってきたことなんです。私の専門は循環器内科ですが、アメリカの循環器病学会で更年期前後の女性に多く見られる「微小血管障害による狭心症」という病気を知りました。それに有効とされる薬剤を使うと、劇的に改善したんです。でも日本にはまだ、痛風は男性、膠原病は女性に多いなど、病気に性差があるという考え方は入ってきていませんでした。そこで米国のハーバード大学をはじめ、数か所のNational Center of Excellence in Women’s Health(女性のための医療センター)の見学に行ったのです。85年から政府が率先して性差医療研究に取り組むアメリカに比べ、日本の医療の遅れを痛感しました。
Y それで女性外来を立ち上げようと思われたのですね。
A ええ。あともう一つの理由は、私自身が壮絶な更年期障害に悩まされ続けたからなんです。48歳から生理時の過多出血が始まったのですが、常に夜用の生理用品を持ち歩いていました。そして閉経した50歳のとき、子宮筋腫と診断されて子宮と卵巣の切除手術を受けたんですね。最初は「これで婦人科系のがんも心配ないし、ホルモン補充療法で更年期症状も治るはず」なんて気楽に考えていたら……。そこからが地獄のような日々の始まりでした。
Y どんな症状だったのですか?
A まず、足の皮膚が分厚くなって。次は53歳のとき、寒い日でも全身汗だくになるようなホットフラッシュが始まったんです。さらには下半身の痺れや倦怠感、関節の痛みに頭痛。当時の産婦人科医は男性が多かったですね。休みのたびに著名な医師のもとを訪れてはホルモン療法に漢方、気功、鍼灸など、あらゆる治療を試したものの、まったく効かなくて。有効な治療法を手に入れることはできませんでした。これは私が更年期障害をやらなきゃダメだと、そのとき覚悟を決めたのです。
Y 天野先生、かっこいいです。
A 更年期の期間は耐えに耐え抜く毎日でしたが、今、振り返れば患者さんたちのあらゆる思いに寄り添えるタネがそこにはたくさんあったわけです。「人間万事塞翁が馬」、転んでもただでは起きないわね(笑)。そんなわけで片っ端から治療法を試した50〜59歳の日々で、私に唯一効果のあった治療が入浴だったんです。結果的に、体を温めて代謝を上げることが一番でした。
Y 先生! 私も朝晩入浴しています。あと、20代半ばから週に2回ほど、ラジオ波で体を温めていて。顔のシワのケアなどももちろん少しは気になりますが(笑)、それ以上に体を温めることのほうが私にとっては、プライオリティがはるかに上なんです。
A 体を温めるのはいいことですよ。
Y 先生にお墨付きをいただけて嬉しいです! 続けます。先生は定期的に運動もなさっているんですよね?
A ええ。体の維持や修復には代謝を上げることが大切で、それには筋肉も必要ですから。75歳から週に2回、マンツーマン指導の筋トレを90分コースで始めたんです。これはやめられません(笑)。もっと早くから始めればよかった。何歳からでも真剣に筋トレをされたら、体温と血流が上がり代謝も上がります。元気で長生きされている方は、皆さん動くことがお好きよね。