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新連載!知っておきたい女性のからだと健康「排尿の悩み」

2025.01.14

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知っておきたい女性のからだと健康 第1回(1) からだのしくみや加齢による変化を知っておくと健康維持に役立ち、調子が悪くなったときにも早く対応できます。2025年は今のうちに知っておきたいからだの情報、年齢を問わず実践できる健康法やかかるべき診療科についてお伝えします。第1回は排尿の悩みを取り上げます。

「排尿の悩み」

[お話を伺ったかた]
順天堂大学医学部附属順天堂 東京江東高齢者医療センター 女性泌尿器外来 順天堂大学医学部泌尿器科学 准教授
高澤直子先生
高澤直子先生

たかざわ・なおこ 2004年順天堂大学医学部卒業後、同大学医学部附属順天堂医院での初期研修を経て、06年に同医院泌尿器外科学講座入局。13年に同大学院に入学、翌年米国クリーブランドクリニックフロリダ ウロガイネコロジーにて研修。博士号を取得後、17年に順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターに赴任して女性泌尿器外来を開設し、担当医を務める。

日々のトイレの回数や排尿量、生活習慣との関連を意識する

毎日何回くらいトイレに行くか、その際どのくらいの尿が出ているかを気にしていますか。排尿の習慣は話題にしづらく、人と比べることが少ないので、異常かどうかも気づきにくいのが特徴といえるかもしれません。

順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 女性泌尿器外来の高澤直子先生によると、通常、トイレに行く回数は昼間は6回ほどで、夜間は0回か1回、1回あたりの尿量は200〜300ccが目安です。


一日に摂る水分は、「気温や湿度、飲料や食事の水分の量、塩分量、汗をかいた量など、そのときの状況に合わせるべきですが、おおまかにいって、飲料として2L以上飲むと多すぎますね」。とはいえ、高齢になると喉の渇きに気づきにくく、また、頻尿が気になるなどで水分を摂る量が減りがちです。気がついたときに少しずつ飲むように自分も、また周囲の人にも意識を向けておきたいものです。なお、寝る前に水分を多く摂る、利尿作用のあるカフェインを摂るといった習慣は夜間頻尿・多尿の原因になります。

泌尿器科では頻尿などで悩む患者は排尿記録をつけることがよくあります。「3日間ほど、トイレのたびに100円ショップで買えるような計量カップで排尿量をはかり、時刻とともに記録します。また、摂った水分量も書き込みます。そうすると、自分が尿意を催すタイミングや排尿量と生活習慣の関係がつかめるようになる人もいます」。

このような項目は問診でも尋ねられます。「頻尿や尿漏れが気になる場合、克明な記録をつけなくても、トイレに行く時刻や回数、排尿量、摂った水分量、気温などを意識し、生活習慣を変えることで、悩みが少しずつ軽くなるかもしれません」。
Check! こんな症状はありませんか?

泌尿器科に相談すべき症状

【排尿の回数・量・タイミング】
[ ]一日に何度もトイレに行く
[ ]夜中に何度もトイレに行き、よく眠れない
[ ]急にトイレに行きたくなり、間に合わず、漏れてしまうことがある
[ ]水の流れる音を聞いたらトイレに行きたくなる
[ ]くしゃみや咳をしたとき、笑ったとき、立ち上がったときや走ったとき、荷物を持ち上げたときなど、おなかに力が入ると尿が漏れる
[ ]尿意がないのに尿が漏れてしまう

*妊娠中や出産後に尿が漏れた経験があると更年期以降も要注意

【排尿時やふだんの感覚】
[ ]残尿感がある
[ ]尿が出にくいと感じる
[ ]排尿時にかゆみや痛みを感じる
[ ]尿がたまったときに下腹部や尿道のあたりが痛い
[ ]股の間に違和感がある・何か出てきている

【尿の見た目】
[ ]尿が泡立っている
[ ]尿に血が混ざっている

*検診などで尿たんぱく陽性、腎機能低下を指摘されたら、泌尿器科ではなく、腎臓内科の診察を受ける


(次回へ続く。)

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年01月号

家庭画報 2025年01月号

イラスト/関 祐子 取材・文/小島あゆみ

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