〔特集〕心華やぐ「集い」の時間 この一年の出来事を振り返り、無事に過ごせたことを共に感謝する── 親密な人たちとの年末のひとときを忘れ得ぬものにするためには、集いの場の選び方も大切です。華やかなツリーやリースが飾られた自宅で、祝祭気分に満ち溢れるラグジュアリーホテルやレストランで、特別な時間を過ごすためのアイディア、情報をお届けします。
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自宅で過ごすクリスマスの時間
ホストもゲストと一緒に楽しめるシンプルで喜ばれるコース仕立てのおもてなしレシピ
お客様との楽しい時間を過ごすために、ホストがキッチンにこもりきりにならないことがおもてなしの成功の秘訣です。
「市販品を上手に活用し、事前に作っておいても味の落ちないサラダ、オーブンに入れっ放しの肉料理はおすすめです」と話すのは、料理研究家の坂田阿希子さん。
「わーっと歓声の上がる見た目の華やかさも大事ですね。前菜の盛り合わせは、日頃からチェックしておいたお気に入りのおいしいお取り寄せを活用しましょう」。
とっておきのレシピをコース仕立てでご紹介します。
前回の記事はこちら>> 【2品目】室温に近いサラダ、クリュディテは箸休めに、付け合わせにも
器/ロイヤル コペンハーゲン
「『クリュディテ』と呼ばれるフランスの野菜料理は、常温でおいしい状態をキープできるものが多く、作り置きが可能。おもてなしに重宝します。何種類か作り、テーブルにお出ししたままにして、メインディッシュでは付け合わせとしても楽しんでいただけます」。
彩りも考え、数種類用意すると喜ばれます。
◆マッシュルームのサラダ
【材料(4人分)】・マッシュルーム 2パック(200グラム)
・レモン汁 少々
・〔A〕オリーブオイル 大さじ3~4、粗塩 小さじ2/3、赤ワインビネガー 小さじ2】
・〔B〕イタリアンパセリの葉(粗めのみじん切り) 2~3枝、パルメザンチーズ(すりおろし)・レモンの皮(せん切り) 各適量
・黒こしょう 適量
【作り方】(1)マッシュルームは7~8ミリ厚さに切り、ボウルに入れる。レモン汁をかけてざっと混ぜ、Aを加えてざっくりあえて器に盛る。
(2)(1)に〔B〕をかけ、黒こしょうを挽いてかける。
◆レンズ豆のサラダ【材料(4人分)】・レンズ豆(乾燥) 150グラム
・セロリ・イタリアンパセリの軸など・塩 各適量
・押し麦 40グラム
・赤玉ねぎ 1/2個
・セロリ 1本
・ベーコン 100グラム
・パセリ(みじん切り) 1束
・松の実 20グラム
・黒こしょう 適量
■ドレッシング
・赤ワインビネガー 大さじ2
・マスタード 小さじ2
・塩 小さじ1/2
・オリーブオイル 大さじ4
【作り方】(1)レンズ豆は洗って水をきり、鍋に入れる。セロリやパセリの軸、塩を加えてたっぷりの水を入れ、柔らかくなるまでゆでる。押し麦は15分ほどゆでる。赤玉ねぎとセロリは5~6ミリの角切りにする。
(2)ベーコンは1センチ角に切り、フライパンでカリカリになるまで炒める。
(3)ボウルにビネガー、マスタード、塩を加えてよく混ぜてからオリーブオイルを加え、ドレッシングを作る。
(4)(1)を合わせ、赤ワインビネガー適量(分量外)で下味をつけ、(3)であえる。(2)、パセリ、松の実を加え、黒こしょうを挽いてかけ、混ぜる。
◆さやいんげんのサラダ【材料(4人分)】・さやいんげん 2パック(約200グラム)
・サラダオイル 大さじ6
・オリーブオイル 大さじ1
■ドレッシング(作りやすい分量)
・にんにく(すりおろし) 少々
・玉ねぎ(細かいみじん切り) 大さじ2
・米酢 大さじ2
・マスタード 小さじ2
・上白糖 ひとつまみ
・塩・白こしょう 各少々
【作り方】(1)さやいんげんは塩ゆでして、縦半分に切り、さらに斜め切りにする。
(2)ドレッシングの材料をボウルに入れてよく混ぜる(この状態で1日ねかせるとよりおいしい)。サラダオイルとオリーブオイルを少しずつ加えてとろりとしたドレッシングを作る。
(3)(1)のさやいんげんをドレッシングでさっくりとあえる。
◆柿とミモレットチーズ、黒こしょう【材料(4人分)】・柿(大) 1個
・ミモレットチーズ 10グラム
・レモン汁・オリーブオイル・黒こしょう(粗くつぶす) 各適量
【作り方】柿は皮をむいて食べやすく切り、レモン汁とオリーブオイルであえて、器に盛る。ミモレットチーズをグレーターで削りかけ、黒こしょうをふる。
◆赤キャベツのサラダ【材料(4人分)】・赤キャベツ 1/2個
・ドレッシング(「レンズ豆のサラダ」と同じ)
・赤ワインビネガー 適量
・塩 少々
【作り方】(1)赤キャベツは細切りにし、熱湯でさっとゆでる。ざるに上げ、水気をしっかり絞る。
(2)(1)をボウルに入れ、赤ワインビネガーと塩で下味をつけ、ドレッシングであえる。
【3品目】魚介と香草を合わせた揚げたてあつあつ、3種の春巻き
「旬の魚介の春巻きは皆さんの大好物。具材をオイルでマリネしてから揚げるのがコツです。水分が出にくくなり、少し時間が経っても皮がカリッとした状態をキープできます」。
◆かきと香菜【材料(4人分)】・かき 8個
・香菜 1束
・ごま油・塩 各適量
・春巻きの皮 8枚
・揚げ油・小麦粉 各適量
【作り方】(1)かきはボウルに入れて水でふり洗いし、水をしっかりきり、キッチンペーパーで水気を取る。香菜はざく切りにする。
(2)(1)をごま油、塩であえる。春巻きの皮に、かき1個と香菜をのせ、好みの形に巻き、小麦粉を水で溶いたのりで巻き目を閉じる。
(3)180度の油でこんがりと揚げる。
◆鯛とセロリ【材料(4人分)】・鯛などの白身魚(刺し身用) 90グラム
・セロリ 1/4本
・セロリの葉 適量
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 少々
・春巻きの皮 8枚
・ライム 1/2個
・揚げ油・小麦粉 各適量
【作り方】(1)鯛はそぎ切りにする。セロリは細切りにし、葉はざく切りにする。すべてボウルに入れ、オリーブオイル、塩であえる。
(2)春巻きの皮に(1)をのせ、好みの形に巻き、小麦粉を水で溶いたのりで巻き目を閉じる。
(3)180度の油でこんがりと揚げる。ライムを8等分に切って添える。
◆帆立貝柱とチャービル サフランマヨネーズ【材料(4人分)】・帆立貝柱 8個
・塩・白こしょう 各少々
・チャービル 1パック
・オリーブオイル 大さじ1
・春巻きの皮 8枚
・マヨネーズ 大さじ2
・サフラン(パウダー) 少々
・揚げ油・小麦粉 各適量
【作り方】(1)帆立貝柱は塩・こしょうをし、大きければ厚さを半分に切る。チャービルは葉を摘み、茎は1センチ長さに切り、オリーブオイルであえる。
(2)春巻きの皮に1をのせて好みの形に巻き、小麦粉を水で溶いたのりで巻き目を閉じる。マヨネーズにサフランを加える。
(3)180度の油できつね色になるまで揚げ、器に盛る。(2)のサフランマヨネーズを添える。
左から「かきと香菜」「鯛とセロリ」「帆立貝柱とチャービル」。鯛は春巻きの皮を3等分して三角形に巻き、同様に切った皮でさらに巻いていく。
坂田阿希子(さかた・あきこ)さん料理研究家、洋食店店主。洋菓子店やフランス料理店での修業を経て、料理研究家に。2019年に代官山で「洋食KUCHIBUE」を開業。『わたしの料理』など著書多数。
(次回へ続く。
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