連載「いのちに想う」1月 冬眠
ニホンモモンガ
文=小林朋道(公立鳥取環境大学学長・動物行動学者)ニホンモモンガは、冬眠しない。
それはそうだ。シマリス等と違い、大雪が降り地面に高く積もっても、木から木へと移動して杉や常緑樹を食べるモモンガにとっては「あっ、地面が高くなったな」くらいのものだ。
シマリス等は活動することができず餌も得ることができない。モモンガの餌はその辺にたくさんある。
ただしモモンガにも困ったことがある。
冬は、寒いのだ。その寒さに対抗して、杉の樹皮を細く割いた繊維で、樹洞(じゅどう)の中に巣を作れば、断熱効果抜群。それともう一つ、寒くなると他人同士でも一つの樹洞に入って温め合う。
人間も、どちらにとっても利益になるような関係を意識して作っていくことが大切だろう。
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