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栗原心平さんの今様おせち──シャンパーニュ、日本酒、クラフトビールに合うご馳走レシピ

2024.12.18

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〔特集〕今様おせちと美酒で乾杯 栗原心平 我が家のごちそう正月 伝統的なおせちのあれこれをこしらえるのもよし、お気に入りの料理店の品を選ぶもよし。一年の幕開けを祝う家族の食卓は、実に多様化しています。「家族を幸せにする」をモットーに親しみやすく、作りやすい料理レシピで大人気の料理家・栗原心平さんに、祖母と母から受け継ぐおせちと今の時代に喜ばれる新年のご馳走を教わります。前回の記事はこちら>>

・特集「栗原心平 我が家のごちそう正月」の記事一覧はこちらから>>

新年を美酒で寿ぐ

心平さんといえば......酒類全般なんでもござれ、酒と料理が寄り添うおつまみも得意技。新年を祝うにふさわしいシャンパーニュ、日本酒、クラフトビールに合うご馳走を。

シャンパーニュで晴れやかに

「日常の晩酌では焼酎やバーボンのハイボールを痛飲しますが、家族の誕生日やお正月などハレの日はとっておきのシャンパーニュでお祝いしたい」と、乾杯メニューによし、ゆっくり味わうにもよしな3品を披露。喉ごしよく、爽やかなシャンパーニュは和食との相性がよいのはご存じのとおり。


「シャンパーニュというと、乾杯や食前酒として味わう特別なものでしたが、近頃は食中酒として、料理を引き立てるおいしいものだと感心しながらいただいています」右から、ローラン・ペリエ グラン シエクル No.25 /サントリー クリュッグ グランド・キュヴェ 172 エディション/モエ・ヘネシー・ディアジオ ボランジェ PN VZ19/ワイン トゥ スタイル

「シャンパーニュというと、乾杯や食前酒として味わう特別なものでしたが、近頃は食中酒として、料理を引き立てるおいしいものだと感心しながらいただいています」右から、ローラン・ペリエ グラン シエクル No.25 /サントリー クリュッグ グランド・キュヴェ 172 エディション/モエ・ヘネシー・ディアジオ ボランジェ PN VZ19/ワイン トゥ スタイル

日頃から家族や友人で集う機会が多く、キッチンと食卓を行き来しながら、料理を振る舞う心平さん。

日頃から家族や友人で集う機会が多く、キッチンと食卓を行き来しながら、料理を振る舞う心平さん。

「シャンパーニュが持つ酸味が、海鮮のうまみやかつおだしの繊細さを引き立てますので、帆立貝のマリネ、鯛の昆布じめはいかがでしょう。それらにまろやかなクリームチーズのソース、コクあるオランデーズソースを合わせて、奥行きのある味わいに仕立てます」

肉料理もプラスしたいと請うと、「では鴨ロースを。かつおだしをまとった鴨ロースはあっさりしています。白髪ねぎと一緒に召し上がればおいしさもひとしおです」。

●帆立貝のマリネクリームチーズ

程よい甘さとこくのあるすし酢は魚介のマリネにぴったり。クリームチーズとディルのソースがいっそうグラスを進ませます。

【材料(作りやすい分量)】

・帆立貝(生、刺し身用) 6~7個
・すし酢 大さじ1
・オリーブ油 大さじ1/2
・塩 ひとつまみ
・〔A〕クリームチーズ 30グラム、ディル(生、みじん切り) 2グラム、レモン(果汁) 小さじ1/2、塩 ひとつまみ、粗びきこしょう 小さじ1/3

【作り方】

(1)帆立貝はボウルに入れ、すし酢、オリーブ油、塩を加えて混ぜ合わせる。落としラップをして冷蔵庫で1時間ほど漬ける。

(2)〔A〕は混ぜ合わせる。

(3)帆立貝を食べやすい薄さに切り、器に盛る。(2)を等分にしてのせる。

●鯛の昆布じめ 和風オランデーズソース

おめでたい鯛はそのままお造りではなく、うまみを倍増するべく昆布じめにします。めんつゆを隠し味にしたオランデーズソースで。

【材料(作りやすい分量)】

・鯛(さく、刺し身用) 200グラム
・塩 小さじ1/4
・昆布(鯛の長さに合わせて用意) 2枚(約20グラム)
・酒 大さじ1
・バター 30グラム
・卵黄 2個分
・めんつゆ(3〜4倍濃縮) 大さじ1/2
・すし酢 小さじ1
・あさつき(小口切り) 適量

【作り方】

(1)鯛は両面に塩をふる。昆布は全面に酒を塗る。

(2)鯛を昆布2枚ではさみ、空気が入らないようラップでぴっちりと包む。冷蔵庫で一晩以上ねかす。

(3)耐熱ボウルにバターを入れ、600ワットの電子レンジで30秒加熱する。

(4)別のボウルに卵黄、めんつゆ、すし酢を入れ、よく混ぜて湯せんにかける。しっかりと混ぜながら少しずつ(3)のバターを加える。バターがすべて入り、とろりとソース状になったら湯せんからおろす。

(5)(2)の鯛は昆布を外して薄く切り、器に盛る。(4)のソースを刷毛で鯛に塗り、あさつきを添える。

●鴨ロース

ロゼ色に輝く「鴨ロース」は、かつおだしと醬油がほのかに香る和風テイストですがシャンパーニュに合います。白髪ねぎと一緒に。

【材料(作りやすい分量)】

・鴨ロース肉(ブロック) 250グラム
・〔A〕かつおだし 400ml、醬油 大さじ5、酒 大さじ3、みりん 大さじ3、砂糖 小さじ1、塩 小さじ1/4
・白髪ねぎ 各適量

【作り方】

(1)厚手の鍋にAを入れ、中火にかける。しっかりと沸いたらしばらく火にかけ、アルコール分がとんだら鴨肉を入れる。

(2)再び沸いたらふたをして、すぐに火を止め、そのままゆっくりと冷ます。

(3)冷めたら煮汁ごと冷蔵庫に入れ、一晩おく。

(4)鴨肉を薄く切り、器に盛る。白髪ねぎを添える。

「やっぱり新年は日本酒。スパークリングにも注目」

お正月のご馳走と日本酒の相性のよさは言わずもがな。ちびちびのんびりと日本酒を舐めつつ、こしらえた料理に箸を伸ばし、また日本酒を舐める......。「そんな三が日が理想ですし、実際、日頃の飲みすぎを癒やすべく過ごしています」と心平さん。

「お正月こそ飲みすぎず、静かに盃をかたむけたいので、ゆっくり味わえる純米大吟醸と、来客をもてなすのに適したスパークリング日本酒を用意します」右から、アラン・デュカス スパークリング サケ/山梨銘醸MIZUBASHO PURE /永井酒造 豊盃 純米大吟醸 つるし酒/三浦酒造

「お正月こそ飲みすぎず、静かに盃をかたむけたいので、ゆっくり味わえる純米大吟醸と、来客をもてなすのに適したスパークリング日本酒を用意します」右から、アラン・デュカス スパークリング サケ/山梨銘醸MIZUBASHO PURE /永井酒造 豊盃 純米大吟醸 つるし酒/三浦酒造

とはいえお正月、祝いの席を彩る華やかな銘柄と、それを引き立てる料理を用意したいもの。「見た目も美しいまぐろとイクラの香味あえ、香ばしくパリッと焼き上げた甘鯛の松かさ焼き、そして安心感あるだし蜜卵をお供にどうぞ」。

松かさ焼きに添えた「ねぎソース」は、魚介のうまみを引き立てる味わいです。「あれこれ役立つ万能さで重宝します」とのこと。さまざまな温度帯で楽しめるのが日本酒の魅力ですが、酒器ともども冷やして味わいます。

●まぐろとイクラの香味あえ

華やかな香りを放つ日本酒にはまぐろとイクラの鉄板コンビを合わせて。芽ねぎ、穂じそ、すだちで爽やかにいただきます。

【材料(作りやすい分量)】

・まぐろ 180グラム
・穂じそ 5グラム
・芽ねぎ 1パック
・〔A〕醬油 大さじ1、みりん 小さじ1/2、白いりごま 大さじ1/2、削り節 2グラム
・イクラ 大さじ1
・すだち 適量

【作り方】

(1)まぐろは1.5センチ角に切る。穂じそは軸を除いてほぐす。芽ねぎは長さを半分に切る。

(2)ボウルに(1)と〔A〕を入れてあえる。

(3)器に盛り、イクラをのせ、すだちを添える。

●だし蜜卵

まろやかな甘みが際立つ「だし蜜卵」。合わせるかつおだしは、ふだんよりも1.5倍ほど濃いめで。焦げつきやすいので慎重に手早く巻く。

【材料(作りやすい分量)】

・卵 3個
・かつおだし(濃いめ) 大さじ1と1/2
・みりん 100ml
・砂糖 大さじ1と1/2
・塩 小さじ1/5
・サラダ油 適量
・大根おろし 適量

【作り方】

(1)小鍋にみりんを入れ、中火にかけて煮詰める。液量が半量ほどになったら砂糖、塩を加え、砂糖が溶けたら火を止め、そのまま冷ます。

(2)ボウルに卵を割り入れ、(1)とかつおだしを加えてよく混ぜる。

(3)卵焼き鍋にサラダ油を薄くひき中火で熱し、(2)の卵液の1/2量を流し入れる。卵焼き鍋を傾けながら全体に広げ、底面が固まってきたら奥から手前に向かってたたむようにして巻く。

(4)卵焼き鍋の空いたスペースにサラダ油を薄くひき、残りの卵液の半量を流し入れて広げる。巻いた卵を持ち上げ、下にも卵液を流し込む。底面が固まってきたら、手前から奥に向かって巻く。

(5)(4)を繰り返し、巻き終えたら、そのまま表面を軽く焼き、取り出す。食べやすい大きさに切り、大根おろしを添える。

●甘鯛の松かさ焼きねぎソース

うろこを松ぼっくりの“かさ”に見立てた「松かさ焼き」。うろこがサクサクと香ばしく、たっぷりと「ねぎソース」とを絡ませるとまた格別に。

【材料(作りやすい分量)】

・甘鯛(うろこ付き) 半身(200グラム)
・塩 小さ じ1/4
・片栗粉 小さじ1
・サラダ油 大さじ1
・ごま油 大さじ1

<ねぎソース>
・長ねぎ(みじん切り) 45グラム
・しょうが(みじん切り) 1/2
・かけ分酢 大さじ1/2
・塩 小さじ1/6
・サラダ油 大さじ2

【作り方】

(1)甘鯛は食べやすい大きさに切り、身に塩をふる。そのまま5分おき、水気を拭き取る。身のほうにのみ片栗粉をまぶす。

(2)フライパンにサラダ油、ごま油を熱し、(1)の身側を下にして中火で焼く。油がしっかりと温まったら、スプーンで皮目に油をかけながら中火でさらに焼く。

(3)甘鯛のうろこがしっかりと立ち上がり、身に火が入ったら火を止めて器に盛る。

(4)<ねぎソースを作る>フライパンにサラダ油を熱し、長ねぎを中火で炒める。長ねぎがしんなりとしたら、酢、塩を加えて混ぜ合わせる。

(5)火を止め、しょうがを加えてさらに混ぜ、小鉢に入れ、甘鯛の松かさ焼きに添える。

栗原心平(くりはら・しんぺい)
料理家・栗原はるみを母に持ち、自身も幼い頃から得意だった料理の道に。「ごちそうさまを通じて家族を幸せにする」をモットーに、雑誌やテレビなどメディアでレシピを提案している。『栗原家のごはん』シリーズ、『栗原心平のキッズキッチン』ほか著書多数。一児の父。

(次回へ続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年01月号

家庭画報 2025年01月号

料理/栗原心平 撮影/本誌・西山 航 スタイリング/肱岡香子 取材・文/山﨑真由子

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