豊かな心で生きていくための教え『戒定慧』は、現生の開運術
仏教では、悟りに近づくための3つの修行の心得『戒定慧(かいじょうえ)』があります。
「戒」は戒律で、代表的なものに「十善戒(じゅうぜんかい)」という善行の教えがあります。そのなかで説かれる「身口意(しんぐい)」(「身」は行動、「口」は言葉、「意」は心)の実践が、心を洗い清めるために欠かせません。ぜひ、寝る前などにその日の行動を思い返し、行を守れたかどうか一つずつ振り返ってみてください。守れなかったと感じた際は、それを明日の糧としてさっぱりと切り替えてまた、再出発することが大切です。
「定」は禅定で、坐禅や瞑想で心を穏やかに保ち集中力を高める行。「慧」は知恵で、物事の真実を見抜く力、自分にも他人にも正しい判断ができる力、自己と他者に慈悲を向けるための力を得る行です。
この3つの行が揃って、初めて心は研ぎ澄まされ、“よい行いをすることで、よい因縁が巡る”と考えます。現世の“開運術”に繫がる、禅の教えです。
毎日見直す 心を整える禅の心得
十善戒(じゅうぜんかい)
一 生き物を殺さず、あらゆる生命を尊重しよう(身)
二 与えられていないものを盗むことなく、他人のものを尊重しよう(身)
三 みだらな行為をせず、互いを尊重しあおう(身)
四 噓をつかないで、正直でいよう(口)
五 人の仲を裂くようなことを言わず、よく考えて話そう(口)
六 人を害する粗暴な言葉ではなく、優しい言葉を使おう(口)
七 うわさ話、無駄話をせず、思いやりある言葉を話そう(口)
八 嫉妬心に捉われず、惜しみなく施しをしよう(意)
九 過度に怒らずにこやかに生きよう(意)
十 邪見を持たず正しく判断しよう(意)
*身口意(しんぐい)の実践
十善戒の教えを、毎日確認してみましょう。何かの気づきがあるはずです。
(次回へ続く。)
・この特集の記事一覧はこちら>>