連載「迷い世代の服選び」スタイリストのおおさわ千春さんが、「何を着たらいいのかわからない」と悩みがちな“迷い世代”の大人に向けて、おすすめのファッションアイテムをご紹介する連載。今回は、“足元がパンプスならキレイめ、スニーカーにしたらカジュアル”になるような、コンフォタブルなリアルスタイルを提案します。
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頑張らずに格好いい! コンフォート・スタイル
実はこのところ、腰の調子が悪く、靴はスニーカーに頼らざるを得ない日々が続いています。若いころはハイヒールしか履かなった私ですが、年齢を重ねるにつれ、我慢してヒールを履くことができなくなりました。
おそらく、読者の皆さまも、からだの痛みや体型の変化によって「これまでの装いがフィットしない……。」という悩みがあるのではないでしょうか。“お洒落は我慢”という言葉はありますが、無理なく、心地よく、頑張らないのにお洒落に見せることができればどんなに幸せでしょう。私はそんなことを、この年齢になって考え始めました。
そこで導き出した“心地いいお洒落”のためのキーワードは、「足元を変えるだけでキレイめにもカジュアルにもなる」。例えば、昼間オフィスにいるときはパンプスで、足元をスニーカーに変えれば、そのまま温泉にも行けちゃうような格好、というとわかりやすいでしょうか? 最近は、装いのシーンレス化が進んでいることもあり、パーティ以外であれば、足元を変えるだけでどんな場所でも大丈夫な気がします。
今回は、無理せずに品よくお洒落を楽しみたい、という思いに賛同くださる皆さまに、私のリアルな装いをヒントにしたコーディネートをご紹介しますね。
オフィスにも旅行にもOKのキレイめカジュアル
ブルゾン8万5800円/ナインティーン セブンティ(サン・フレール) パーカー7万4800円/アルファ ストゥディオ(サン・フレール) カットソー9万7900円/ペセリコ(ウールン商会) パンツ8万4700円/ドロシー シューマッハ(サン・フレール) バッグ6万8200円、シューズ7万2600円/ともにペリーコ(アマン) ネックレス2万600円/ピーラ(アッシュ・ペー・フランス) 帽子2万7500円/カミンスキー(ヘレンカミンスキー ギンザシックス) サングラス/スタイリスト私物
デニムのブルゾンに白のストレッチパンツを合わせたコーディネートは、まさに靴次第でキレイめにもカジュアルにもなる装い。シワの心配や動きにくさなどのストレスなく日中過ごした後、そのままドライブして1泊の温泉旅行へ行く際にはスニーカーにチェンジ。きっと迷い世代の皆さんにとっても、リアルなコーディネートなのではないでしょうか? このスタイルならラグジュアリーなステイ先でも気おくれせずに楽しめると思います。
“パールにスニーカー” このバランスが心地いい
コート29万1500円/ペセリコ(ウールン商会) カーディガン15万1800円/マーロ(ウールン商会) カットソー5万7200円/ドロシー シューマッハ(サン・フレール) パンツ5万7200円/スローウェア(コロネット) バッグ3万5200円/ペリーコ(アマン) スニーカー1万6500円/アシックス(アシックスジャパン カスタマーサポート部) スカーフ2万1340円/イヌイ・エディション(アシュ・ペー・フランス) イヤリング1万5400円/ラ・キアーヴェ(ドレスアンレーヴ) ネックレス/スタイリスト私物
私にとっての「コンフォート」とは、カジュアル過ぎず、でも着ていて楽なスタイル。スニーカーでも襟元にはパールのネックレスをあしらってキレイめに仕上げると品よく装えると思います。「歩く」ことが大事になった今、私が愛用しているのがアシックスのスニーカー。
以前はラグジュアリーブランドのスニーカーを履いていたのですが、股関節を痛めて病院に通うようになり、リハビリの先生から、よりクッション性の高いスニーカーとしておすすめいただいたのがアシックス。私の足にぴったりで、半年で5足も購入するほどのファンになりました。ちなみに、大人がスニーカーを取り入れるときには、ワンカラーの靴を選び、装いのメインとなる色と合わせるとコーディネートがまとまるので、おすすめですよ。
淡いグレーのワントーンでまとめた「THE おおさわスタイル」
ジャケット5万9840円、トップス4万6530円/ともにファルコネーリ(ファルコネ―リ銀座店) パンツ5万7200円/スローウェア(コロネット) スニーカー2万2000円/アシックス(アシックスジャパン カスタマーサポート部) バッグ13万2000円/マルベリー(マルベリージャパン) ネックレス8万300円/ピーラ(アッシュ・ペー・フランス) パールネックレス、スカーフ、イヤリング/以上すべてスタイリスト私物
このコーディネートは、私の私服そのものですね(笑)。若いころには、こんなライトグレーのワントーンコーディネートにはシルバーの7㎝ヒールのパンプスを合わせていましたが、今はアシックスのスニーカーが定番。でも、こういうジャケットスタイルにさらっとスニーカーを履くような、「気負わない感じ」も今の私の気分にフィットしていて。背伸びをせずとも、自分の心地よさを大切に思いながら、お洒落を楽しめるようになったのが、なんだか嬉しいですね。
お洒落って、年齢に応じて変わっていくものだとつくづく感じます。現実を受け入れつつ、どうお洒落を楽しんでいくかを探っていく――そうやって、身体の変化に応じてポジティブに進化していけたらいいなと思います。
●お問い合わせ
ファルコネーリ銀座店
電話:03-6264-5063
コロネット
電話:03-5216-6521
アシックスジャパン カスタマーサポート部
URL:https://www.asics.com
サン・フレール
電話:03-3265-0251
ウールン商会
電話:03-5771-3513
アッシュ・ペー・フランス
電話:03-3406-0147
アマン
電話:03-6418-5889
ヘレンカミンスキー ギンザシックス
電話:03-6264-5573
ドレスアンレーヴ
電話:03-5468-2118
マルベリージャパン
電話:0120-097-428
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。「迷い世代の服選び」記事一覧>>