美味が待つ冬の湯宿へ──温泉と蟹三昧を楽しめる「望洋楼（ぼうようろう）」【福井 東尋坊三国温泉】

〔特集〕蟹・ふぐ・和牛を心ゆくまで　美味が待つ冬の湯宿へ　日本人の冬の旅の原点──それは、大地から湧き出る温泉に浸かって心身を整え、日本各地に産する美味に舌鼓を打つこと。非日常を感じながらも快適に滞在できて、その土地が誇る自慢の料理に出合える温泉宿を、厳選してお届けします。

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冬の日本海を望む宿で湯と蟹三昧
望洋楼（ぼうようろう）【福井 東尋坊三国温泉】

越前蟹の証である黄色タグがつけられたせいこ蟹。宿では、ガラス張りの個室ダイニング空間で、波しぶきが舞う日本海を眺めながら味わうことができる。せいこ蟹の提供は、1月半ば頃まで。

越前蟹尽くしで至福のひとときを

創業から145年余りの歴史を紡ぎ、日本屈指の蟹の宿として知られる料理旅館「望洋楼」は、2021年に全面リニューアルを施し、モダン建築の宿へと生まれ変わりました。

海との一体感が感じられる「201 海に浮かぶ寝室のある部屋」。

7部屋すべて造りやしつらいが異なり、源泉かけ流しの半露天風呂が備えられている。写真は「202 秘密の寝室と狭間風呂の部屋」。日没には、水平線に沈む夕日が海を赤く染め、息をのむ。

冬ともなれば荒々しい日本海の波が岩肌に打ちつける宿に一歩足を踏み入れれば、そこは静寂の世界。コンクリート造りの建物が旅人を温かく包み込んでくれます。

「蟹は福井県内の三国港と越前港の競りに赴き、大きく質のよいものを目利きして仕入れます。越前蟹は昔から皇室へ献上されることでも有名ですが、その皇室献上級といわれる1.2キロほどの大ぶりの蟹を余すところなく調理します」と主人の刀根瑛昌さん。

蟹刺し、ゆで蟹、炭火焼き蟹や、越前辛味そばといただく蟹の天ぷらなど、どれも蟹が持つうまみを最大限に引き出した料理がテンポよく供されます。

蟹刺しは、奥井海生堂の蔵囲昆布だしを入れた鍋とともに提供。1本は生で、もう1本はしゃぶしゃぶでいただくのがおすすめ。

目の前でゆでたてをさばいてくれるゆで蟹。宿では、さらにサイズの大きい希少な「越前・三国之主（1.3～1.5キロ）」コースも取り扱う。蟹は特別な水槽にて、水温や状態を徹底管理されている。

漂う香りもご馳走の炭火焼き蟹。

福井産コシヒカリを昆布だしで炊き上げた釜炊き蟹ご飯。蟹の身と黄柚子を混ぜて香り豊かに仕上げる。

館内には、笏谷石（しゃくだにいし）、越前和紙など福井産の工芸品が心地よく配され、雪風の中浸かる湯は、ひときわ記憶に残るものとなるでしょう。

越前加賀海岸国定公園内の東尋坊にも近い岸壁に建つ。入り口はコンクリート塀でモダンなデザイン。

望洋楼
住所：福井県坂井市三国町米ヶ脇4-3-38 越前加賀国定海岸公園内
TEL：0776（82）0067
基本料金：1室2名利用で1泊2食付き1名19万3600円～（皇室献上級 越前蟹コース）　蟹は3月31日まで　全7室　IN15時／OUT11時　3月以降は部屋ごとに価格が異なる

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