藤田敦史監督
目指していた優勝は逃してしまったものの、その充実感溢れる表情と力強い話し方から、復路優勝を獲得したレース展開に手応えも感じていることが伝わってきた藤田敦史監督。復路を終えてすぐ、101回大会についてお話を伺ってみました。
——今大会の総括をお聞かせください。往路で思ったよりいい順位が取れなくて、上位とのタイム差も開いてしまった状況の中で、復路での戦い方が来年につながるポイントになると思っていました。6区の伊藤(蒼唯・3年)から7区・佐藤圭汰(3年)のところでしっかり押し上げる走りをしたことで、残り3区間の2年生が伸び伸びチャレンジできたところは非常によかった。復路新記録での優勝は、チーム力の勝利だと思います。
常々言っているように、「駒澤は転んでもただで起きてはいけない」んです。それを選手たち自身が体現してくれた。監督として、ありがたい思いでいっぱいです。前半戦、トラックシーズンの苦しかった時期をみんなわかっているので、諦めずに復路優勝を目指す子どもたちの姿を見て、涙が出てきました。この、新記録での復路優勝は、間違いなく来年につながる優勝だったといえます。
——青山学院大学の強さをどのように感じましたか?横綱のレースをされましたよね。ポイントとなる区間できちっと走ってくるので、なかなか勝たせてくれない。今回の駅伝でも、強さを感じました。ただ、いつもの箱根駅伝だと往路で青山さんが逃げたとき、後半はそのままどんどん圧倒的にタイム差を広げられるのですが、今回、我々、芦ノ湖からタイム差を詰めているんですね。往路が終わった時点で3分16秒差あったのが、2分48秒差にまで詰めてゴールすることができた。この部分を来年の箱根にしっかり生かしていくことができれば、総合優勝も夢ではない。現実のものとするために、1年間また努力をしていきたいと思います。
——篠原倖太朗主将について、今どのように思われますか?篠原はものすごくチーム思いなんですね。故障している選手にもこまめに声をかけてくれたり。彼自身も人間的に成長したし、何より彼のおかげでチームがすごく成長しました。だから、篠原には本当に感謝しきれないくらい、感謝しています。2区の戸塚の坂を走る彼に、私も声を張り上げて声がけしたので、すでに往路の2区の時点で声がかすれてしまいました(苦笑)。それくらい、彼に対しては、ありがとうという感謝の気持ちしかない。篠原が駒澤に残してくれたものはすごく大きいです。この財産を来年に生かしていくことが大事だと思っています。