キレイめカジュアルが信条の私にとって、トップハンドルバッグは端正な印象を後押ししてくれるキーアイテム。大好きな「デルヴォー」や「ヴァレクストラ」のネクストブランドとして注目しているのが、イタリアの老舗「フランツィ」の「マルゲリータ」バッグ。
1864年創業、イタリア最古の高級革製品ブランドのフランツィは、イタリア・ギリシャ・エジプト、オーストリアの王室公式サプライヤーに任命されたほどの名門。1998年に工場を一時閉鎖、休眠期間を経て2021年に復活を果たしました。アイコニックな「マルゲリータ」バッグは、ブランドのルーツであるレザートランクを思わせるリベット付きのバーが特徴。
バッグの両面にセミフラップポケットが施され、センターのコンパートメントも広々としていて収納力もたっぷり。滑らかなカーフスキンを用い、熟練職人が1週間かけて作るバッグは、ひと目で高級とわかる佇まい。通常15~18色が揃う豊富なカラー展開も魅力です。
ひと目見て、レザーで表現されたグラフィカルな放射状のラインに目を奪われたのがフランス発の「カミーユ・フォルネ」。「プリセ」と呼ばれる高度な技術を駆使して作られたモダンなデザインは、メゾンの伝統を象徴するもの。このブランドのルーツは時計ベルトの製造と伺い、プリセの巧みなステッチは、時計ベルトの精巧な縫い目の技術を応用したものかしら……などと想像するのも楽しくて。私のお気に入りは、「ホーボーバッグ(3・4)」。ネコちゃんの耳のように見えるデザインが可愛く、レザーの発色もキレイ。「シグネチャー バッグ(1・2)」は、スクエアのモダンなフォルムで、コンパクトながら容量がある、ブランドのアイコン。日常生活で使いやすそうな機能美が際立つバッグです。
しなやかなレザーで表現されたモダンなフォルムが目を引く「ワンドラー」は、オランダ・アムステルダムが発祥の地。2017年にエルザ・ワンドラー氏が自身の名を冠して立ち上げたこのブランドは、モダンアートや日常、自然の中に息づく異世界からインスピレーションを受けた洗練されたデザインが特徴。私が好きなのは4の丸みを帯びた新作「ホルテンシア」バッグ。気持ちのいい柔らかなレザーで、軽く、ロングストラップ付きでクロスボディにしても使えるところがお気に入り。プライスもこなれていて、デイリーに気兼ねなく使えるバッグだと思います。
バッグは装いに鮮度をもたらす鍵となるアイテム。ニューカマー・ブランドのバッグでフレッシュな春のスタイルを楽しんでみませんか。
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日本橋髙島屋S.C.本館2階(サロン ル シック)
電話:03-3211-4111
カミーユ・フォルネ 銀座本店
電話:03-5537-3223
ブルーベル・ジャパン(ファッション事業本部)
電話:03-5413-1050
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。「迷い世代の服選び」記事一覧>>
撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子