【連載】久保奈穂実の「おいしい漢方レシピ」 古くから癒しや回復の薬としても親しまれてきた、スープやドリンク。薬膳的効能から選んだ食材で作る一杯で、毎日の生活に養生の知恵を取り入れてみませんか。国際中医薬膳管理師・漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、忙しくても、疲れていても、身近な食材でササっとできる、簡単でおいしくてヘルシーな漢方レシピをお届けします。毎週火曜日更新。
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〔2月の漢方レシピ〕
疲れて食欲がないときの血(けつ)と元気を補うお味噌汁
2月18日は二十四節気の「雨水(うすい)」。徐々に寒さが和らぎ、雪が大地を潤す恵みの雨へと変わる頃です。自然界の陽気が増えてくると元気になる人も増える一方で、何となくソワソワして情緒が不安定になったり、まぶたがピクピク痙攣したり、足がつりやすくなる時期でもあります。これらの対策には、補血食材を意識して取り入れましょう。
長いもと小松菜のお味噌汁

長いもも味噌も小松菜も、胃腸を健康にする効果があるので、食欲がないときにもおすすめです。
疲れて気力がわかないときは「長いもと小松菜のお味噌汁」を夕食に。元気を補う効果のある長いもと味噌、血(けつ)を補う小松菜で、血を巡らせて疲労回復効果が期待できます。
長いもは調理法によって効能が変わるのが特長。生のままなら潤い補給、火を通せば、元気を補う効果に変わります。
小松菜には血を補い、瘀血(おけつ
※血の滞り)を取り除く効果があります。爪が割れやすいときも血不足のサインなので、そんなときにもぜひ小松菜を取り入れてみてください。寒さを散らす効果もあり、不足しがちなカルシウムや鉄分をとることもできる優秀野菜。まだまだ気温が低いこの時期に積極的に摂りたい食材の一つです。
●材料と作り方1)鍋に
湯を沸かし、
だしを入れ、皮をむき一口大にカットした
長いもを入れ、弱火でコトコト。
2)長いもに火が通ったら4cm幅に刻んだ
小松菜を入れ、
味噌を加えて味を調える。
久保奈穂実(くぼ・なおみ)

久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。ハードな生活で身体のバランスを崩した際に漢方薬に助けられた自身の経験から興味を持ち、中医学と薬膳を学ぶ。現在、成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行っている。著書に『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』(ともに世界文化社刊)。SNSで発信するやさしい養生知識や、簡単薬膳レシピも大好評。X:@naominkubo /Instagram:@naomin_yakuzen読むだけで薬膳漢方の知識が楽しく身につく、大人気シリーズの第2弾! 
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