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美味なる英国──「コーツ&シーリー」注目のイングリッシュ ・ スパークリングワインを求めて

2025.01.29

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〔特集〕注目の英国スパークリングワインと食を巡る 美味なる英国 イギリスの食は、近年大きな変化を遂げています。今やシャンパーニュに並ぶと評されるハイクオリティなスパークリングワインから、素材を大切にしつつ世界のスパイスを取り入れた新しい料理まで、英国はこれまでの先入観を覆す美味の国へと進化しているのです。ここでしか出会えない伝統と革新の食を味わうべく、新しい英国旅へとご案内します。

特集「美味なる英国」の記事一覧はこちら>>>

独自の進化で世界が注目する英国ワイナリーを訪ねて

イングリッシュ ・ スパークリングワインは、その品質の高さと繊細かつ豊かな味わいで、世界から大いに注目を集めています。

実は、1万年前、この土地とフランスのシャンパーニュ地方は歩いて行ける地続きでした。現在はドーヴァー海峡で隔てられていますが、ぶどう作りに欠かせないチョーク層の土壌は同じ。ロンドン近郊で新たな挑戦をする2つのワイナリーを訪ねました。


Coates&Seely(コーツ&シーリー)
二人の英国紳士が挑む新時代のスパークリングワインをオーナーの邸宅で

庭でのランチは、人気のロゼとともに華やかに。テスト川が流れる渓谷の底の土壌はチョーク質で、粘土質の表土とともにこの地のテロワールを形成する。鉄器時代にはこのあたりの尾根は展望台の役目をしていたという土地柄。

イングランド南部ハンプシャーの丘陵地で英国スパークリングワイン「Coates&Seely」を手がけるニコラス・コーツさんと妻でプライベートシェフのヴァージニアさん。特別なゲストのみが招かれる、自宅リビング。

ハンプシャーにある「コーツ&シーリー」のオーナーの一人であるニコラス・コーツさんは語ります。

「美味しいスパークリングワインに欠かせないぶどうの酸味は冷涼な気候があってこそ。地球温暖化はよいことではないけれど、その影響で、これまで寒すぎて不向きだったこの土地が好条件となったのです」

緑のそよぐ音、小鳥のさえずりが耳に心地よい、ニコラスさんのご自宅。商談客など特別な人のみが訪問を許される。

2008年、銀行家だったニコラスさんは旧友でワイン醸造家のクリスチャン・シーリーさんと、いつか世界最高峰のスパークリングワインを造りたいと情熱を抱き、この土地へ。

2024年夏、天皇皇后両陛下が英国を訪問された際にチャールズ3世国王主催の晩餐会でも供されることとなりました。

ヴァージニアさん(右)の手料理は、壁画の美しいダイニングルームでワインとともに振る舞われる。

リビングでテイスティング中。英国紳士に自宅に招かれた特別感も味わえる。

奥様のヴァージニアさんはこの日のランチを調理中。前菜は地元の野菜と黒米のサラダ。

数々の世界的な賞を獲得し、ミシュラン星つきレストランに選ばれるラインナップ。

“白い国” という意味でありグレートブリテン島の古称を冠した「アルビオン」号で畑の見学へ。

収穫期のぶどう。

コーツ&シーリー
2008年、ニコラス・コーツ氏とクリスチャン・シーリー氏が創業。ノンヴィンテージワインは2~3年間熟成させた深みのある味わい。ヴィンテージワインは単一の年のぶどうから造られ、4~5年間の熟成後、さらに瓶内熟成。

(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年02月号

家庭画報 2025年02月号

撮影/富岡秀次 撮影協力/THE PENINSULA BRITISH AIRWAYS 英国政府観光庁

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