〔特集〕名門ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が奏でる ベルリンの森の音楽会 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「ヴァルトビューネ」。1984年に開催され、今や、ベルリンの夏の音楽シーンに欠かせない風物詩となっています。世界のクラシック音楽ファンからも「一度も見逃したくない」と注目され即完売となるステージでは、普段は見ること、聴くことができない名門オーケストラの楽団員の姿や演奏曲を楽しめます。40年を迎えた2024年の「ヴァルトビューネ」、さらに歴史に残る名シーンの数々を、ベルリン・フィルメンバーの声とともにお届けします。
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森の中で音楽を楽しむ至福の時間
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/178347/images/editor/54e03f74bdcd00bf8909944fddab5f0d6f2fbcb5.jpg?d=820x550)
古代ギリシャの円形劇場がモチーフとなっているコンサート会場、ヴァルトビューネは、1936年ベルリン五輪に合わせて造られた。“森の舞台”を意味する名前のとおり、ベルリン郊外の森の中に位置し、その開放感は格別。夕暮れから刻一刻と変わる空の色と、世界最高峰のオーケストラが演奏する音をともに味わえる贅沢なひととき。
屋内ホールでは見ることができない世界最高峰オーケストラの舞台、「ヴァルトビューネ」2024年
毎年数々の名演を繰り広げる「ヴァルトビューネ」。40年目を迎えた記念すべき2024年の舞台を指揮するのは、ベルリン・フィル首席指揮者キリル・ペトレンコです。
ベルリン・フィルの首席指揮者、キリル・ペトレンコも笑顔でタクトを振る。
まだ空も明るい中、森の深緑を目にしながら始まったコンサートの1曲目は、ムソルグスキーの「はげ山の一夜」。緻密で色彩豊かな演奏に、観客も一気に引き込まれます。
第1コンサートマスターの樫本大進。
![ゲストのソロピアニストは、圧倒的な技巧と唯一無二の世界観をもつユジャ・ワン。名門オーケストラと世界的スターとのコラボレーションにベルリンの観客も沸いた。](https://images.www.kateigaho.com/media/article/178347/images/editor/33760026a35184c45e75c69903c32df76549161d.jpg?d=820x550)
ゲストのソロピアニストは、圧倒的な技巧と唯一無二の世界観をもつユジャ・ワン。名門オーケストラと世界的スターとのコラボレーションにベルリンの観客も沸いた。
2曲目のプロコフィエフを弾くピアニスト、ユジャ・ワンの超絶技巧とダイナミックな表現に圧倒される観客。そして、夕暮れからラヴェルの曲が演奏され、空が美しい薄紫に染まるころ、静かに鳴る小太鼓のリズム──。ラヴェル「ボレロ」の始まりです。次々と演奏される物語性のある美しい音楽に、会場のボルテージもますます上がっていきました。
夜も深まり終演へ。最後のアンコールは恒例の「ベルリンの風」。観客はスマートフォンの明かりを灯し、手拍子と指笛を鳴らし、腕を組み、思い思いに踊る──まさに楽団員と観客が一体となるコンサートの名物。
![シーズンの最後を飾る「ヴァルトビューネ」は、ベルリン・フィルメンバーにとっても特別なコンサート。](https://images.www.kateigaho.com/media/article/178347/images/editor/03a306c89704b7d1bd6b4ce5018723fbc3ab4c7b.jpg?d=820x600)
シーズンの最後を飾る「ヴァルトビューネ」は、ベルリン・フィルメンバーにとっても特別なコンサート。
最後のアンコールはもちろん、恒例のリンケ「ベルリンの風」。星が煌めくベルリンの夜空の下、オーケストラと観客が完全に一つになり、この夏の「ヴァルトビューネ」は、名残惜しくも終わりを迎えました。
持参したピクニックセットのお弁当を食べながら開演を待つのも楽しみの一つ。
![ドイツ発祥のプレッツェルも会場内で販売。ビールとともに味わう姿も。](https://images.www.kateigaho.com/media/article/178347/images/editor/4cfe632b7b19721ee687d136e57e6a0b5acf87e9.jpg?d=820x500)
ドイツ発祥のプレッツェルも会場内で販売。ビールとともに味わう姿も。
![ステージ前で寝転びながらベルリン・フィルの音楽が聴けるのも、「ヴァルトビューネ」ならでは。](https://images.www.kateigaho.com/media/article/178347/images/editor/152d9a4364a2b9a5511de66b28e02ae3ad191e9a.jpg?d=820x500)
ステージ前で寝転びながらベルリン・フィルの音楽が聴けるのも、「ヴァルトビューネ」ならでは。
(次回へ続く。
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