雄大な山々に抱かれた自然と、
ものづくりの伝統が息づく「山梨」へ
東京から車でたった1時間半というアクセスのよさを誇りながら、富士山や南アルプスといった雄大な山々に抱かれ、豊かな自然の恵みを満喫できる山梨県。風光明媚な景観や、おいしい食事に美酒、ものづくりの歴史に裏打ちされた名産品──。美しいもの、美味なるものを探す、山梨へのショートトリップへとご案内いたします。

今回、山梨の魅力を見つける旅のナビゲーターとなってくださったのは、東京と香港を拠点にカラーアナリストとして活躍する菅原令子さん。幼少の頃から山梨県鳴沢村の別荘で休暇を過ごすのが習慣で、今でも帰国の際には必ず山梨を訪れるそうです。
「東京からドライブ感覚で行ける距離なのに、大自然の中で非日常を味わえるのが山梨のいいところ。地元の野菜や果物も新鮮でおいしくて、体の中から元気になれます」。山梨でのひとときは、心も体も癒やされ、力をチャージできる時間だと菅原さんはいいます。
山梨は上質な食材の宝庫!
富士山の麓の名店「Miura料理店」で味わう美味
山梨産の食材といえば、野菜や果物、ワインが有名ですが、実は牛肉や地どり、ジビエなども近年ではブランド価値が上がり注目されています。今回、菅原さんが訪れたのは“人気すぎてなかなか予約が取れない”と評判の、一軒家のフレンチレストラン「Miura料理店」。

Miura料理店のシェフ・三浦貴久さん(左)と菅原さん(右)。前菜に合う甲州ワインを提案します。
シェフの三浦貴久さんは、生まれも育ちも山梨。手がける料理も、野菜や肉、魚、そしてワインに至るまで“山梨産”にこだわり、四季折々の山梨の食材をふんだんに盛り込みます。そして、料理ごとにワインのマリアージュも提案。特に山梨・勝沼のワインをすすめるときは、作り手の個性やヒストリーなども熱く語ってくれます。
三浦シェフのシグネチャーメニュー「甲州牛のロティ 南部茶の香りとキャベツの甘み ロックフォールと味付け卵」。山梨産の南部茶で甲州牛を軽くスモークし、鳴沢村のキャベツで包んでゆっくりロースト。全体に上品な香りをまとわせます。その横には、忍野村産の卵を赤ワインやはちみつなどにつけた味付け卵を添えて。まさに山梨づくしの素材を生かした、遊び心ある一皿です。●Miura料理店 TEL:0555-73-2918
実は日本酒もおいしいんです!
山梨の“水の恵み”が生み出す世界レベルの美酒

「名山の水 山の酒 山梨の酒 純米酒飲み比べ7本セット」5280円。八ヶ岳山麓水系(谷櫻・甲斐男山)、南アルプス山麓水系(七賢・太冠・春鶯囀)、富士山伏流水(笹一)、富士北麓水系(甲斐の開運)といった4つの名水と県産米で醸した7種類の純米酒を、飲みきりサイズ(180ml)で楽しむことができる人気のセット。●山梨県酒造協同組合 TEL: 055-224-4368
山梨が誇る酒はワインだけにあらず。富士山、八ヶ岳、南アルプスといった名山を有する山梨は、全国でもトップクラスの上質な水系に恵まれ、古くから日本酒製造が盛ん。中でも富士山信仰の聖地・北口本宮冨士浅間神社に御神酒を奉納してきた「笹一酒造」など、山梨の酒蔵は山々の恵みを大切に守り受け継いできました。
近年、山梨の水で造られた酒は、国内はもちろん海外でも高い評価を得ています。国税庁による地理的表示(GI=Geographical Indication)制度の厳しい審査に適合すると「GI山梨認定酒」としてブランドの価値が高まり、さらにその中でも、水だけでなく米も製造も出荷もすべて山梨にこだわった銘柄は「山梨県原産地呼称日本酒認定酒」を名乗ることができます。世界的なスターシェフとのコラボレーションを実現させた銘柄もあり、“山梨の日本酒”は世界基準の美酒としてますます注目されることでしょう。
千年以上の歴史を誇る甲斐絹(かいき)
「郡内(ぐんない)織物」の美に触れる

創業1866年の「槙田商店」は、熟練の技と知見で多種多様な表情のテキスタイルを提案(写真上)。中でも郡内織物を使った傘(写真下)は、雨の日の憂さをぱっと晴らすような色彩やデザインが人気。●槙田商店 TEL:0555-25-3113
山梨の知る人ぞ知る名産品の一つが「郡内織物」。国産の婦人服やインテリアなどに使用されているほか、国産ネクタイ生地の4割ものシェアを誇ります。
山梨の織物業のルーツは平安時代の書物の中にみとめられ、甲斐国(かいのくに、現在の山梨県)が当時から朝廷に布を納めていたことが記されています。その後、絹織物をもとに作られるようになったのが「甲斐絹」。その独特の光沢や風合いによって明治時代には全国に甲斐絹の名が知られ、黄金時代を迎えました。
現在も、郡内地域(富士吉田市、西桂町、都留市、大月市、上野原市など)は全国有数の高級織物産地として上質なファブリックを製造。甲斐絹の特長である「先染め」「細番手」「高密度」を、技とともに今に受け継いでいます。
次回は、身延山久遠寺や西山温泉など、自然と歴史が織りなす「南山梨」の魅力を楽しめる小旅行へとご案内します。どうぞお楽しみに!
※5月頃配信予定
お問い合わせ
山梨県地域ブランド推進グループ
TEL:055(223)1584
https://hq.pref.yamanashi.jp/