一番大きな皿は、直径40センチ近くもあり、最小の皿は9センチという愛らしさ。しかも薄く挽かれた皿10枚には丸みがついていて、スタッキングすると、あたかも桜の大木のごとき存在感を放ちます。日本一の挽物木地産地、山中ならではの、ろくろ挽きの比類なき技に驚嘆します。
10枚には、それぞれに桜花がただ一輪、皿いっぱいに花開いています。「摺り漆でサンドブラストの技法を一度やりたかった」と代表取締役社長の中出克人さん。砂状の研磨剤を吹きつけて表面を削るサンドブラストは、ガラス彫刻などに用いられる技法で、山中でただ一人の職人にその仕事を依頼。木地には栓せんを用い、杢目の柔らかいところに砂が入って研ぎ出すと、彫りの深い美しい木の表情が印象的な器となりました。
テーブルに並べてご招待客をびっくりさせたくなる華やかな器です。
手作りの品のため、サイズや色、形、仕上がりなどが、写真や説明と異なる場合があります。 撮影/本誌・坂本正行、武蔵俊介(233ページ)スタイリング/佐藤由美子 料理/大森雄哉〈ohmori〉取材・文/片柳草生 取材協力/日本漆器協同組合連合会