──3月に発売となったのが、もう1つの新作「ディーヴァ ドリーム」コレクションですね。このバッグが完成するまでに苦労した点、こだわった点などを教えてください。
メアリー:最初に考えたのは、ひと目でわかる‟ブルガリらしさ“を表現したいということです。そこで、ローマのカラカラ浴場のモザイクのデザインからインスピレーションを得た「ディーヴァ ドリーム」のジュエリーから、扇形のモチーフを取り入れることにしました。ジュエリーのように宝石やメタルの留め具などを使わずに、ブルガリらしいバッグを作り出すということは、私たちにとって新しく楽しい挑戦でした。ディーヴァ ドリームの形は、フェミニンで、銀杏の木や葉のラインを彷彿とさせます。そんな女性的なラインを生かして、より多用途で使えるバッグを作り出したいと考えました。昼間はフェミニンな光を放ちながら、夜のシーンでジュエリーと合わせても違和感なく持てるようなデザインです。
──バッグの実用面においては、どのような点を工夫しましたか?
メアリー:使いやすいバッグの構造を追求しながらも、ハイジュエラーとしてのブルガリらしいDNAも表現したいと思いました。そこで、底面をマーキースカットの形にしたのです。もう1つ、パーソナライズできる小さなタグもつけました。ディーヴァ ドリームの小さなミラーを付けたことも、ブルガリらしいディテールだと思います。また、女性が日常的に持ち歩けるバッグとしての軽さも重視しました。
──ブルガリが140年以上の歴史の中で大切にしてきたデザインアーカイブをどう思われますか? またそこに自身のデザインをどのように生かしていきたいですか?
メアリー:バッグやアクセサリーのクリエイティブ ディレクターとしての私の役割は、これまでブルガリが手がけてきた素晴らしいアーカイブ作品たちとその価値を、現代の時代にマッチさせながら未来に向けて再構築することです。たとえばセルペンティは75年以上時代に合わせて刷新されながら輝き続けてきたわけで、長く生き続けるデザインには卓越性があります。
お気に入りのデザインを1つ選ぶのは難しいですが、ブルガリのアイコンであるセルペンティやモネーテ、トゥボガス、ブルガリ・ブルガリなどについて研究し、これらが数十年にわたりどのように進化してきたのか、その歴史を振り返ることは、私にとっても本当に素晴らしいインスピレーションの源になることでしょう。何十年にもわたって進化を続けてきた、ローマのヘリテージとして生き続ける貴重なデザインに敬意を払いながら、新しい作品を作っていきたいと思います。
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