「アントワーヌ プレジウソ ジュネーブ」をご存知ですか？数々のコンプリケーションウォッチを手掛けてきたスイスの独立時計師のパイオニアによって作られる時計は、今、最も注目すべき、知る人ぞ知る逸品です。優美なデザイン、唯一無二の芸術性……。
お洒落を知り尽くしたあなたに、まだ見ぬ至高の芸術品をお届けします。
世界一美しい広場に魅せられて
イタリアの古都、シエナのカンポ広場――。ここは「世界一美しい広場」と称される場所です。この広場にあるマンジャの塔の時計に魅せられ、「シエナ」という時計を生み出した一人の天才時計師がいました。その人の名は、アントワーヌ･プレジウソ。1981年にスイスのジュネーブに工房を設立した彼は、1986年、自身の名をブランド名に冠した初のコレクションとして、「シエナ」を世に送り出します。中世を思わせるエレガントな装飾針と、表情豊かなマザーオブパールのダイヤルが目を引く美しい時計は、イタリアの美に想を得て誕生したのです。
カンポ広場の塔時計。優美な針のデザインが、イタリアらしさを漂わせています。
シェアウォッチ、ペアウォッチとしても楽しめる「シエナ」
「シエナ」のケース径は34.5ミリ。ジェンダーレスなサイズ感なので、パートナーと一緒にシェアしたり、ペアで楽しむこともできます。ベーシックなレザーストラップ、使い勝手のよいブレスレットタイプ、一つ一つ異なるマザーオブパールの有機的な輝き……。
豊富なバリエーションの中から、心豊かな日常に寄り添う、あなたらしい一本を見つけてください。
右・ベージュストラップに白のマザーオブパールが端正かつ知的な手もとを約束。時計「シエナ」（SS×ダイヤモンド×MOP、ケース径34.5ミリ、クロコダイルストラップ、自動巻き）178万2000円 中・角度によって虹のように艶めくブラックのマザーオブパールが、奥行きのある表情を奏でます。同（SS×MOP、ケース径34.5ミリ、自動巻き）104万5000円 左・シエナの青空を思わせるが鮮やかなブルーのダイヤルは夏の日差しに映えて。同（SS×ダイヤモンド×MOP、ケース径34.5ミリ、自動巻き）185万9000円／すべてアントワーヌ プレジウソ ジュネーブ
春らしい新色を手もとに
この春登場した新色は、春の花々を思わせる淡いパープルと、スイスの雪解けをイメージしたペールブルーの2色のストラップ。
冬の終わりを告げ、春爛漫の新しい季節にふさわしい洗練された色合いが、手もとを華やかに彩ります。
右・和装にも洋装にも幅広くコーディネイトできる上品な色。時計「シエナ」（SS×ダイヤモンド×MOP、ケース径34.5ミリ、カーフストラップ、自動巻き）176万円 左・パール加工が施されたストラップとマザーオブパールの艶めきが、統一感のある輝きを放ちます。時計同（SS×ダイヤモンド×MOP、ケース径34.5ミリ、アリゲーターストラップ、自動巻き）178万2000円／ともにアントワーヌ プレジウソ ジュネーブ
右・パープルのストラップには、ベゼルにダイヤモンドのないシンプルなタイプもあります。時計「シエナ」（SS×MOP、ケース径34.5ミリ、カーフストラップ、自動巻き）94万6000円／アントワーヌ プレジウソ ジュネーブ
左・裏側はシースルーバックで、ローターにプレジウソの文字が透かし彫りで施されています。ストラップの裏側には女性らしい赤紫を配し、細部に至るまでフェミニンな印象に。
“神の手”を持つ
アントワーヌ･プレジウソとは
時計界では“神の手”を持つ時計師として有名なアントワーヌ・プレジウソ。世界で約30名しかいない独立時計師アカデミーに所属しています。トゥールビヨンなど一点ものの複雑機構で名高い彼は、独創的なクリエイションで時計愛好家に支持されています。日本ではドキュメンタリー番組で取り上げられたこともあり、机の端を噛んで時計の組み立て作業に集中する彼の姿も話題を呼びました。
“プレジウソ”という苗字は、イタリア語で“貴重な”という意味。1957年、スイスのジュネーブに生まれた彼は、幼い頃から時の尊さを感じ、時計制作に心を奪われます。ジュネーブ時計学校を首席で卒業後、ジュネーブ最大の高級時計ブランドや権威あるオークション会社で世界最高峰の時計制作や修復に携わり、知識や技術を深めていきます。1981年に自身の工房を設立し、本格的な複雑時計の製作に取り組むように。ハリー･ウィンストンの「オーパス2」など、名だたるメゾンの複雑時計の制作者にも抜擢され、その名を広く知られるようになります。
左がアントワーヌ・プレジウソ、右は息子のフローリアン。父が作ったブランドは世代を超えて続きます。どのメゾンにも属さず、何者にも縛られず、作品を生み出し続ける親子。時計技術の伝統を大切にしつつ、卓越した技術力と既成概念にとらわれない自由な発想で、その地位を確固たるものにしています。写真/APG_portraits
自身のブランドでは、1980年代からメテオライト（隕石）を使用したモデルを発表。2002年には世界で初めてメテオライトをくり抜いてケースに採用し、画期的な時計を生み出します。2015年には、アントワーヌと同様に複雑時計を得意とする優秀な時計師の息子、フローリアンとともに、３つのトゥールビヨンを搭載した時計「トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ」を発表。機構の開発に10年の歳月をかけたこの時計は、時計界のアカデミー賞といわれる、権威ある“ジュネーブ･ウォッチメイキング・グランプリ”のイノベーションウォッチ賞とパブリック賞をダブル受賞するに至ります。３つのトゥールビヨンを搭載したタイムピースは、世界でプレジウソだけが持つ技術であり、芸術との融合でもあります。
単なる時計ではなく、まとう芸術品を作っている
アントワーヌ・プレジウソは複雑時計を知り尽くした天才時計師であると同時に、優れた芸術家でもあります。「単に時計を作っているのではない。時計という芸術品を作っている」と語る彼の発想は、自由で大胆で、ロマンティック。例えば世界初のメテオライトの時計も、幼少期に満点の星空を眺めながら「この美しい星空をいつか時計にしたい」と思ったのがきっかけだそう。メテオライトは遥かなる宇宙からの贈り物。輝く流星に魅せられた記憶と、宇宙の神秘を時計に宿したいという彼の思いが込められているのです。
左・ハイジュエリーとハイウォッチメイキングの融合ともいえる作品。計24ct、233個のサファイアが、３つのトゥールビヨンを配したアートピースに壮麗な輝きを与えます。時計「トリリオン トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ TTR3 ブルー イコライザー フリークェンシーズ」（WG×サファイア、ケース径47ミリ、ラバーストラップ、手巻き、世界限定1本）2億3661万円（参考価格）／アントワーヌ プレジウソ ジュネーブ
右・隕石をくり抜いて作ったケースの中心に、３つのトゥールビヨンを備えたムーブメントが搭載されて。３つのトゥールビヨンが回転しつつ、文字盤自体も回転する極めて複雑な構造は、まるで惑星と衛星をみているかのようです。時計「トゥールビヨン オブ トゥールビヨンズ TTR3 メテオ スペースビュー」（メテオライト、ケース径45ミリ、レザーストラップ、手巻き、世界限定1本）1億3409万円（参考価格）／アントワーヌ プレジウソ ジュネーブ
親日家ならではの
ユニークピースも必見
親日家でも知られるアントワーヌ･プレジウソは、 “愛の感情”をテーマにしたユニークピースも手掛けています。春画をモチーフに４つの時計からなる特別なコレクションは、緻密なエングレービングで唯一無二の世界観を実現。「春画は日本の芸術遺産の一つ」と語る彼の遊び心に満ちたものづくりは、時計を通して人生をもっと謳歌してほしいというメッセージでもあります。革新的で芸術的で、愛に溢れた天才時計師のクリエイティビティは、これからも私たちを魅了してやみません。
ダイヤルはシルバーに手作業でエングレービングを施した4つの春画。男女の表情や髪の毛、障子の質感など、細部に至るまで生き生きと表現されています。ストラップもシルクファブリックを用い、日本らしい雰囲気をまとって。時計「SHUNGA」（SS×SV、ケース径40ミリ、シルク×レザーストラップ、自動巻き、世界限定4本1セット）1254万円／アントワーヌ プレジウソ ジュネーブ
お問い合わせ／一新時計 TEL 03（6631）0087
撮影／栗本 光 スタイリング／阿部美恵