見た目の若さや寿命に生活習慣が与える影響はとても大きい
「これらの研究結果から、見た目は健康のバロメーターになるといってよいでしょう。つまり、内臓の健康を保つことによって見た目も若々しくなると考えられるため、実年齢より老けて見えるということは体内でも老化や不健康な状態がそれだけ進んでいると判断できるのです」と山田先生はいいます。
そして、見た目の違い(老けて見える因子)には、喫煙、空気汚染、紫外線、肥満、うつ傾向といった要因が関与することが疫学調査から明らかになっていることも指摘します。
「同じ遺伝的背景を持つ双子でも、日常生活や環境の違いによって見た目や寿命に差が出るなど、生活習慣が与える影響はとても大きいものがあります。生活習慣の中でも、食事、運動、メンタル(脳機能、睡眠など)、住環境の4つの要素が特に見た目と寿命に深くかかわっています」(山田先生)。
いつまでも若々しく、健康でいるために、この四つの要素から生活習慣を見直してみることが大切です。
山田秀和先生
近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長。皮膚科教授。
専門の皮膚科学の分野からアンチエイジング医学の臨床と研究に取り組む、「見た目と加齢」研究の第一人者。
日本抗加齢医学会副理事長。
撮影/Fumito Shibasaki〈Donna〉 取材・文/渡辺千鶴
「家庭画報」2018年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。