ジャケットの「シワ」は、あなたのボディを語る
横向きをチェックしたあとは、シワを確かめましょう。
バストやウエストが窮屈なときには、大きくバツを描くように、ボタン脇に「バッテンジワ」ができます。肩が合っていない時には脇の下に向かって斜めに「タナジワ」ができます。
また、首の後ろで笑った口のように見えるシワは、ジャケットと身体の厚みがあっていない証拠です。年齢とともに背中の上部に厚みが出て、襟の後ろがフィットしなくなり、首の後ろが上がることによってできるのです。
このように、サイズが合っていないと必ずシワができるので、シワの位置によってサイズを変更したり、お直しすることをおすすめします。
迷い世代のおしゃれルール:
ジャケットにシワができるということは、どこかが合っていないということ。袖の太さ=身幅の太さ。袖が太いと老けて見える
実はジャケットサイズは、袖の太さを基準にするとすごくわかりやすいんです。袖が太めなら身幅もゆったりに、すっきり細ければ身幅もコンパクトになるのが一般的。
もちろん、袖が細いほうが美しくは見えますが、袖山が高くなるぶん手が上がりづらく、とても窮屈。それを我慢してまで着る必要はありませんが、太すぎるとだらしなく、老けて見えるので要注意です。
また、肩の高さは左右で違うのが普通ですから、パッドを片側だけ入れたり、厚みを替えたりして同じ高さになるよう調整してみてください。
ジャケットは必ず「お直しするもの」と心得て
沢山チェックポイントがあって、それを全部クリアするジャケットなんて見つかるかしら……という方もいらっしゃるかもしれません。
でもね、大丈夫! 何もしないで、自分の身体にぴったりのジャケットなんて見つからないのが普通なんです。
ジャケットは「お直し」が必須。肩パッドを調整する、ダーツを入れてもらう、丈を詰める……微調整しながら、自分用に作り直してこそ、美しいジャケットになる。その過程で、「いまの私、こんな身体なんだわ」という変化を知るのもまた楽しいもの。
とびきりの1着に出会えた時には、必ずや、「今までで一番美しいあなた」になれるはずです。
迷い世代のおしゃれルール:
ジャケットは「お直し」前提のお買い物。あなただけの一着に仕上げて! おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
イラスト/大橋美由紀 取材協力/湯澤実和子