外国の街をきもので颯爽と歩く美女の正体は!? 世界的エンターテインメントグループ「ブルーマングループ」のパフォーマーである夫のワールドツアーに同行し、きもので世界各国を巡る北川聖子さんの旅日記。
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「ブルーマングループ秘話」編は楽しんでいただけたましたでしょうか?私たちブルーマングループ・ワールドツアー組は、その後イタリアを離れ、ドイツでの公演を大成功に終え、久々に1週間のオフを貰えたため、みんなでスペインのバルセロナに行ってきました。
バルセロナでの話の前に少し触れておきたいのですが、今回中東とヨーロッパの国々を回ってみて分かったこと、それは、各国の歴史や文化と「宗教」は切っても切れない関係であること。日本にいると、あまり宗教に関して友人と深く会話することもありませんし、むしろどこかその話題を避けているような気さえします。実は日本だけでなく、ラスベガスやボストンに住んでいた時にも、宗教というキーワードが話題に上ることがありませんでした。
しかし、今回の旅のスタート地点は、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の三大宗教の聖地を有するイスラエル! 訪れたエルサレムには、キリストのお墓やゴルゴダの丘、磔刑後にキリストに香油を塗るために横たえたとされる石版なども残されており、あのジーザスクライストは本当に存在したんだ!と、妙な驚きがありました。
その石版を前に感動で泣き崩れる人を目の当たりにして、また驚き。死後2000年経った後でも、こんなにも人々に影響を与える存在ってすごいな、と改めて考えさせられたわけです。
以前サウジアラビアに入国する際に友人が入国管理局で、どの宗教を信仰しているのか聞かれたそうです。無宗教だった彼女は素直に「何の宗教も信仰してません」と答えたそう。すると、質問をした職員の人が目を丸くして「あなた何を言ってるの?信仰がないってどういうこと!?」「あなたに神はいないのか!?」と問いただし、全く解せない様子だったそう。
その素直な友人は、天を指しながら「いや、きっと何かはいるんだろうなーって思ってますよ」と答えたらしいのですが(笑)。ますます職員をザワつかせたに違いありません。
敬虔なムスリムの国、サウジアラビアでは「宗教は?」という質問は「Where are you from?」と同義語なのです。それなので、「ありません」という、彼らにとって予想だにしない答えに混乱してしまったのかもしれませんね。
中東を一度後にし、イタリアのミラノでは荘厳なドゥオモを、ドイツではケルン大聖堂を、その他の国々でも、たっくさんの美しく豪華絢爛な大聖堂、教会、宗教画を目にしてきました。そして「キリストを奉るために、これだけの財と労力をかけるのか……」と感銘を受けた私。別にキリスト教に目覚めたわけでもないのですが、ただ純粋に、その存在の大きさに圧倒され、興味が湧きました。