それらの所謂 “パワースポット”を数々巡る中で、ふと気がついたのですが、私はそういった場所に行くと必ずといっていいほど呼吸が浅くなり、指先が冷たくなり、痺れるような感覚を覚えるのです。何というか、緊張してしまうんですね。
ですが、バルセロナにて他の大聖堂とは全く異なる雰囲気を持つ最強パワースポットを発見したのです。その名は、「サグラダ・ファミリア」。
言わずと知れた、天才建築家アントニオ・ガウディが総指揮を取り、建設を手がけた世界的に有名な大聖堂です。
有名なこの大聖堂の、いまだ建設中である外観はよくテレビ番組でも取り上げられていますが、その内部を見たことがない方は案外多いのではないでしょうか?
「森」をイメージして作られた内部は、重厚なイメージの外観と違い、まるで大きな巨木の下で木漏れ日を浴びながら、優しく包まれているような雰囲気です。他の大聖堂では、あまりの重厚感に呼吸が浅くなっていた私ですが、ここでは逆に深呼吸をしている自分がいました。
こんなにも開放感のある清々しい聖堂は後にも先にも、このサグラダ・ファミリアだけでしょう。「ずっと、ここにいたい……」、そんな気持ちになれたのは生まれて初めてでした。
石やコンクリートでできた空間なのに、こんなにも優しく温かな印象なのは、おそらく光の取り入れ方を、とても工夫しているからかと。ステンドグラスから差し込む光が何ともいえない美しさでした。
Photos by Adam Erdossy2026年には完成した姿を見ることができるといわれている、サグラダ・ファミリア。完成前にもう一度、そして完成後にも必ず訪れたいと思わせてくれる、そんな場所です。