生命力が溢れ出すクヌギの萌芽更新
話を農地にもどそう。
竹林を伐採していると、色々な枯木が姿を現した。ヤマザクラに並んで感動したのが、幹がひとかかえもある大きなクヌギ。やはり、樹形が悪いので、1年前、思い切って伐採することにした。
萌芽更新をするときの木は、とても生命力に富んでいて、たくましさを感じる。翌年には早くも新芽が吹き出して、生き返ったようにみずみずしい。しばらくは枝を払うなどの世話が必要だが、これも里山ガーデニングの醍醐味だ。クヌギは、人間の暮らしに歩調をあわせてくれる貴重な植物だと、いつも思う。
(次回は6月5日更新予定です。お楽しみに。)
上・伐採して横たわったクヌギの大木は、とてつもなく巨大だ。樹皮のシワのなかに、梢の先端部までびっしりと苔が宿っていた。下・伐採した木は、可能な限り薪用に持ち帰る。クヌギの生木は、とても重いので、運ぶのが重労働。 今森光彦
1954年滋賀県生まれ。写真家。 切り絵作家。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。
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