岩前 篤先生が実践する「暖かい家」の工夫
マンションでも内側から二重窓を設置すれば断熱改修は可能。足もとがいつも暖かくペットの健康も守れる。フル装備の断熱改修で真冬に裸足で過ごせる家に生駒山の麓に建つマンションの最上階に暮らしていたとき、岩前先生は冬の寒さに苦しめられたといいます。「朝になると寝室の温度は3〜5度まで下がり、布団から出られない。一念発起してフル装備の断熱改修をしました」。
厚さ200ミリを超える断熱材を壁に埋め込み、内側から二重窓を取りつけた結果、寝室の温度は真冬でも10度を下回らないようになったそうです。
「食堂は前夜の余熱で暖房をつけなくても15度を保っているため、裸足と寝間着のままで過ごせます。手足の血行がよくなり、長年悩まされていたしもやけもすっかり治ってしまいました」。
岩前 篤先生
近畿大学建築学部長・教授。
住宅メーカーの研究所で断熱・気密・防露の研究開発に携わった後、2003年に近畿大学理工学部建築学科准教授に着任。
教授を経て11年より学部長。
撮影/Fumito Shibasaki〈Donna〉 小林廉宜 スタイリング/横瀬多美保(静物) 高橋尚美(静物) 取材・文/渡辺千鶴
「家庭画報」2018年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。