麩饅頭 5個入り 1134円(税込み)。※要予約滑らかな舌触りが魅力
名物である麩饅頭は、生麩の中に上質なこし餡を閉じ込めたもの。つるりとしたのど越しの生麩と餡の上品な甘さ、一つずつ笹の葉に包まれた瑞々しい姿、どれをとっても魅力的です。中の餡は丹波大納言を用いた自家製。麩嘉の麩饅頭が明治天皇に献上された記録が残されていることからも、歴史あるお菓子であるとわかります。
「丹波大納言は高価なうえ、分取りが悪い(※)ため、最近では有名な和菓子店でも使われないように見受けます。しかし、生麩は(風味の)強いものなので、それに負けないあんこが必要です。丹波大納言には品種としての強さを感じます。また、京都産の素材への思いもありますので」
※材料の全体量に対して、無駄になる部分が多いこと。お正月に不可欠の手まり麩
続いて、手まり麩をご紹介しましょう。手まり麩は小さく丸めた生麩の白玉に、色をつけた糸状のグルテンを巻きつけて作ります。湯せんをするとグルテンの色糸は本体に同化し、まるで筆で描いたような見事な柄となるのです。
手まり麩 1個 192円(税込み)。
グルテンの糸を巻く作業は手で行われ、その様を大村しげさんは著書『京の手づくり』(講談社)のなかで「芸術品どすなァ」と語っています。※要予約(お正月時期以外は、まとまった数量の注文のみ受け付けています)。「通常、手まり麩はお正月に用いられるもの。そのほか、結婚式などお祝い事にも好まれます」と店主の小堀周一郎さん。お吸い物に浮かべると、お椀がたちまち華やぐので、おめでたい場面に用いられるのも納得です。