小児がんの子どもたちには、医療と生活・療養の両面の支援が必要です。多職種が連携して、情報共有しているサポートチームの活用をおすすめします。
国立成育医療研究センター 小児がんセンター センター長
松本公一さん小児がんの生活と療養
小児がんの子どもたちには長期のフォローアップが必須で、さらに入院や外来での治療のみならず、自宅や学校での生活や療養についても発育や発達を見据えた支援が必要です。また治療費や治療の付き添いの負担、兄弟姉妹のケアなど保護者の悩みにもサポートが求められます。
一方で、小児がんといっても種類が多く、病状が異なること、診療科が複数になり、かかわる専門家が多岐にわたること、また年齢によって必要な支援が変わることなどから一様な支援は難しい面があります。そこで、小児がん拠点病院を中心に多職種がチームを組んで支えようという動きが高まっています。
例えば、国立成育医療研究センターでは2016年9月に「こどもサポートチーム」が発足しました。これは「小児がんセンターをはじめとする各科の医師、歯科医、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、臨床検査技師や診療放射線技師、臨床心理士、ソーシャルワーカー、チャイルドライフスペシャリスト、患者家族の滞在施設の担当者、院内学級の教師、保育士といった、患者さんにかかわるすべての診療科および職種のメンバーによって構成されています」とセンター長の松本公一さん。
患者や保護者は主治医や看護師からの依頼を通じて迅速に相談することができます。
また、例えば、保育士は遊びや活動を通じ、子どものストレスのケアや心身の発育・発達を支援し、チャイルドライフスペシャリストは、子ども自身が病気と向き合うための支援を行い、兄弟姉妹もサポートします。