間違うこともある検査結果。頼りすぎるのは考えもの
「最近の医療は検査至上主義に陥っている」と尾藤先生はいいます。
たとえばインフルエンザの検査。約10年前に検査キットが開発されると瞬く間に日本中に普及し、診察で明らかにインフルエンザであっても検査で陽性と出なければ医師も診断できない、患者も納得できないというおかしな現象が起きています。ところが困ったことに、検査の精度が100パーセントではないのです。
「誰がみてもインフルエンザなのに検査で陰性と出てしまい、医師も患者さんも混乱する事態が少なからず起きています。その場合はたいてい検査が間違っています。何のための検査なのか。具合が悪いのに検査のために無理をして医療機関を受診するより、家で寝ていたほうがいい場合もあるのです」
患者側も、検査結果に頼りすぎる傾向から脱却する必要がありそうです。